木星叢書
身体を通して時代を読む―武術的立場

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  • サイズ B6判/ページ数 289p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784862380036
  • NDC分類 789.04
  • Cコード C0095

内容説明

武術の智慧がこの国の歪みを糺す!いまや武術、スポーツ界のみならず介護、教育、工学の世界からも注目を浴びる武術研究者・甲野善紀と、現代思想の研究者にして合気道六段の内田樹が、武術家としての知見をもとに「日本はこのままでよいのか!」と大放談。学校教育の改革、科学的思考批判、日本的組織の欠陥、若者の知的な問題点、飽食と生きる意欲のジレンマ…など、日本が抱える喫緊の課題について縦横無尽に語りつくす、憂国的武術対談。

目次

第1章 自己をみつめる方法としての武術
第2章 生き延びるための力
第3章 師は何も教えず、弟子は学ぶべきものを学ぶ
第4章 「学び」とは別人になること
第5章 進化の仕方を進化させる
第6章 「生きている実感」に火をともす
第7章 フィジカルに沁み込むことばを
第8章 あらゆる社会制度の分岐点で

著者等紹介

甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949年生まれ。武術研究者。二〇代の初めから「人間にとっての自然とは何か」について考え始め、78年独自に武術の研究を行なうため、武術稽古研究会を設立し、松聲館道場を建てる。一般化されたねじりやうねりを伴う動きの問題点に気づき、その立場から、剣術、抜刀術、体術、杖術、手裏剣術等の実技の研究と指導を行なう。99年以後、そうした研究の応用がスポーツに拡がり、さらに近年は介護を筆頭に、楽器演奏、工学、教育といった分野からも関心をもたれるようになったため、03年武術稽古研究会は解散、個人となってより自由に様々な分野との交流を始めている

内田樹[ウチダタツル]
1950年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程(仏文専攻)中退。東京都立大学人文学部助手を経て、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。75年多田宏先生(合気会師範、イタリア合気会最高師範、合気道九段)主宰の自由が丘道場に入門。91年神戸女学院大学合気道部を創設。05年より多田塾甲南合気会師範。合気道六段(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たかぴ

30
[図書館本]文庫本を持っているのを忘れて借りて読みました。成長するとは人間自体が変わることである。科学は完璧ではないと認識していないといけない。組織を創るということは裾野を広げると同時に成長を止めることにもつながる。頭で考えた官僚が作り出した日本という組織が既得権益を得るため成長を止め、出る杭を打つシステムを作り出し、エリートから逸れた人材が財団等の組織を創る。コロナ対策がうまく行かないのはシステム化では対応出来ない事例で柔軟に変革が出来ない組織に日本がなっている照査であろう。ありがとうございました。2021/05/18

0422

2
いい。二人が話すとこういう感じになるんだな、と思った。2014/02/01

山下 賀久

1
古武術師範の甲野先生と仏文学の大学教授で合気道もされ大学では体育の先生もされている内田樹先生の対談本です。たまたま新宿のブックファーストで見つけた一冊ですが、とてもおもしろい。武道や武術だけでなく、学問とは、教育とは何か、今何が足りないのか、昔と比べてよくなった点、できなくなった点は何かなど、どれもなるほどなあ、そんな切り口があったのかと腑に落ちる内容が多かったです。子どもたちが日常的に体を使うことが少なくなった現代において、それが勉強に及ぼす影響がこんなにあるのか、というのには驚きました。お薦めです。2015/09/30

C-biscuit

1
武術家二人(片方は素人といっているが、合気道九段)が武道を中心にまさに時代に即したテーマで対談しているような本である。二人の武術家が武道の深い部分をかたっているので、真意の部分が掴みかねるが、共感できるところが多数あり、面白い。最近の若者は・・・というのが常だが、全員がそうではあるまいとも思う。今の時代をつくっているもの我々であるし、今生きている世代の仕業である。子供の可能性は今いる自分たちで導いてあげたいと思う。2015/02/16

なおみ

1
内田先生の頭の回転の速さに魅せられる。どんな切り口からでも、結論にうまく結びつけて人を納得させる能力に秀でている。でも、鵜呑みをするだけじゃなくて読みながら自分の頭で考えることを忘れないようにしたい。2013/03/10

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