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内容説明
聖霊降臨祭のある日。春うららかな季節に、百獣の王ノーベルが諸侯会議を執り行おうとして全国に告知させると、大小の動物がこぞってやってきた。狐のライナールトだけは参内しなかった。動物たちはその場で王様に、ライナールトの狼藉をさんざん訴えたので、王様はライナールトを宮廷に連れてくるよう使者を派遣した。悪知恵のはたらくライナールトは、使者として派遣された熊のプルーンや雄猫ティベールトを騙して酷い仕打ちを浴びせる。三番目の使者として、親族のなかでライナールトともっとも仲のよい穴熊グリムバールトがようやく狐を宮廷に連れてくる。ライナールトは、縛り首になる寸前に王様に金銀財宝の嘘話を吹き込んで王様さえペテンにかける。しかし、結局は王様の寵愛をえて宮廷において最高位の代官に昇りつめる…15世紀のオランダ語「狐の叙事詩」2篇の完訳と、用文の徹底した考証により、動物寓話の形を取って語られた中世最高の叙事詩文学の本質を捉え描いた労作。
目次
第1篇 ライナールト物語
第2篇 狐ライナールト物語
著者等紹介
桧枝陽一郎[ヒエダヨウイチロウ]
1956年、福岡県生まれ、現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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