内容説明
山国の風土と民具・民俗、歴史が織りなす郷土の場所から、近代秩父が背負った命運、その中での生活文化を描こうとした大著。人は“自然”との交感、取引のうえに、いかに生活文化と人倫を築いてきたかを問う試みでもある。
目次
第1部 暮らしの民具学にむけて(秩父の暮らしと文化についての随想;「浦山」と民具学のもう一つの創生)
第2部 農山村民具の伝承と起源(「負い運ぶこと」の民具学―子ども用セイタの視点から;秩父山村の樹皮製民具;付.ふじっかわの炬火のこと;「黒鍬」雑考)
第3部 近代秩父と「山国」の文化(山岳文学にみる秩父山の風貌;山国の交通―交通における「深さ」の概念について;「山の資源」と近代化の斜面―武甲山石灰石開発と水資源;秩父の「社会的たましい」としての生糸;近代と家郷に生きることについて)
著者等紹介
小林茂[コバヤシシゲル]
1931年、埼玉県秩父郡皆野町に生まれる。秩父市在住。専門は考古学・民具学・民俗学。日本考古学協会会員。埼玉県文化財保護審議会委員、埼玉県埋蔵文化財事業団理事、埼玉民俗の会会長などを歴任。2009年9月2日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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