内容説明
いま、おきている危機は、人類史上、これまでほかのどんな文明も経験したことがないほど困難で重大な出来事を人々にもたらしている。未曽有の環境危機、空前のレベルに達した世界の貧困、膨れあがる過剰人口、無謀な科学技術の発達、従来の諸制度、道徳や政治システムの衰退など、いまだ進行中のグローバル金融危機がもたらしたものの意味を読み解き、ますます液状化・不安定化・不透明化していく人類と世界の未来を語り尽くす。
目次
第1部 液状化していく政治経済構造(テーマ「資本主義」 金融・信用危機―銀行の失敗か?それとも、大成功の帰結か?いずれにしろ資本主義は死んではいない;テーマ「福祉国家」 経済のグローバル化時代における福祉国家とは?―ベンサムが構想したパノプティコンの最後の残滓?貧しい人々を取り締まるものか、それとも救うものか?;テーマ「民主主義と主権」 いわゆる「国家」とは何か?―民主主義、主権、人権を再考する)
第2部 人間なるものの行方(テーマ「ジェノサイド」 モダニティ、ポスト・モダニティ、ジェノサイド―十分の一刑と征服から「コラテラル・ダメージ(巻き添え被害)」へ
テーマ「人口問題」 人口、そして廃棄された生の生産と再生産―偶然性と不確定性から容赦のないバイオテクノロジーへ(ウォールストリートを超えて)
テーマ「原理主義」 世俗的原理主義と宗教的原理主義の抗争―二一世紀に繰り広げられるのはドグマ間の競争か、権力をめぐる闘争か
テーマ「科学/技術」 遺伝情報を書き込む―新たな経済のための新たなグラマトロジー「死すべき人間(ホモ・モータルス)」からDIY(Do It Yourself自分でやろう)の「ポスト・ヒューマン」への移行、そして遺伝子的エリート支配(ジェネトクラシー)の到来
テーマ「世代・ロスジェネ」 ユートピア、愛情、もしくはロスト・ジェネレーション)
著者等紹介
バウマン,ジグムント[バウマン,ジグムント][Bauman,Zygmunt]
1925‐。ポーランド出身の社会学者。現在、イギリスのリーズ大学およびワルシャワ大学名誉教授。1925年ポーランド西部ポズナニでユダヤ系ポーランド人の家に生まれる。1939年ナチスのポーランド侵攻を避けて一家はソヴィエトに亡命。1943年ソヴィエトに支援されたポーランド陸軍に入隊。1944年ベルリン攻防戦に参加、終戦後も情報関連部局に務め、少佐に昇進。1953年ポーランド国内の反ユダヤ主義の高まりにより除隊命令を受け、陸軍除隊
ロヴィローザ=マドラーゾ,チットラーリ[ロヴィローザマドラーゾ,チットラーリ][Rovirosa‐Madrazo,Citlali]
ジャーナリスト、社会学者。メキシコシティ生まれ。メキシコ国立自治大学を卒業し、イギリスのエセックス大学で修士号・博士号を取得。1992年にイギリスのヨーク大学に創設された戦後復興機関に関わり、サパティスタ民族解放軍が蜂起したメキシコ・チアパス州の平和構築や、アフガニスタンにおける女性への人権教育をめぐって発言を重ねている
高橋良輔[タカハシリョウスケ]
1974年、東京出身。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科一貫制博士課程修了。博士(国際政治学)。専攻は国際関係論・現代政治理論・政治社会学。特定非営利活動法人国際協力NGOセンター調査研究・政策提言担当などを経て、佐賀大学文化教育学部准教授
高澤洋志[タカザワヒロシ]
1982年、東京出身。セントアンドリュース大学国際関係学部国際政治思想修士コース修了。修士(国際政治思想)。専攻は国際関係論・国際政治経済学・国際政治思想。財団法人日本国際問題研究所研究助手
山田陽[ヤマダアキラ]
1980年、神奈川県出身。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程修了。現在、同大学院博士課程在籍。専攻は現代政治理論・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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yooou
たなか