内容説明
「3・11」以降の思想的・運動的状況を総括して、議論なきまま「脱原発」に流れ行く風潮に異論を呈し、射程はるかな資本主義批判の視座を提示する、5人の論客による、過激にしてまっとうな討論。
目次
吶喊と屈託―「座談会」を呼びかけるために
第1部 座談会(基調報告;座談会(反原発の現在と過去;反原発と社会運動;反原発と復興の展望;反原発から反資本主義へ))
第2部 論考(震災、原発、右往左往;「どれだけ」に縛られる人生;「太陽の塔」を廃炉せよ;ノマドでいるために―原則的な、あまりに原則的な)
著者等紹介
市田良彦[イチダヨシヒコ]
思想史家・神戸大学大学院国際文化学研究科教員。1957年生まれ
王寺賢太[オウジケンタ]
思想史家・京都大学人文科学研究所教員。1970年生まれ
小泉義之[コイズミヨシユキ]
哲学者・立命館大学大学院先端総合学術研究科教員。1954年生まれ
〓秀実[スガヒデミ]
文芸評論家・近畿大学国際人文科学研究所教員。1949年生まれ
長原豊[ナガハラユタカ]
経済学研究・法政大学経済学部教員。1952年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユウキ
2
なんやこれ2023/12/30
肉欲棒太郎
2
原発の是非についてというよりも、反原発の運動はどうあるべきなのかという運動論が主要なテーマとなっているのが論者たちらしい。2011年7月という「3.11」の割とすぐ後に行われた討議録であるため、「だめ連」や「素人の乱」などへの言及はあるものの、良くも悪くもその後の運動の大きな流れを作ったと目される「反原連」については登場せず。冒頭で触れられている「今の運動は議論を避けている」という問題は、今なおアクチュアルな論点だろう。市田良彦の「共産主義以外のどこかへ逃げ込もうとする左翼を許さない」は名言(笑)2016/03/12
ポルポ・ウィズ・バナナ
0
福島原発への対応は〈戦争〉とみなすべきではないか。戦争とみなして、政治とは別の組織形態をつくるべきではないか。そして、それによって、この国の現状を変え得るきっかけになるのではないか2012/03/28