内容説明
善人は弱いんだよ。善人として人に認められたいという考えは、私には全然ない。I AM WRONG.悪人で結構だ!戦前・戦中・戦後の87年間、一貫して「悪人」として日本と対峙してきた哲学者が、自らの思索の道すじを語る。
目次
第1部 “I AM WRONG”(私にとって、おふくろはスターリンなんです;『共同研究 転向』は、私のおやじに対する答えなんだ;もう一つの物差し―後藤新平;江戸と明治、二つの世を生きた「エリート」たち;つくる人とつくられる人;張作霖、鬼熊、阿部定)
第2部 まちがい主義の効用(「まちがい主義」のべ平連;東大から小田実のような人間が出たのは奇跡だ;『世界文化』と『思想の科学』をつなぐ糸;『死霊』をどう読むか;花田清輝に叩かれて開眼する;桑原武夫、あるいは勲章のこと;埴谷雄高の見事な所作と丸山眞男の思想史的つぶやき)
第3部 原爆から始める戦後史(執拗低音としての敗戦のラジオ放送;映画『二重被爆』が語る原爆の意味;科学者はみなハイド氏になった;丸山眞男の被爆体験;「無教育の日本人」の知性の力;“誤れる客観主義”からいかに逃れるか;私は人を殺した。人を殺すことはよくない)
著者等紹介
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年、東京生まれ。哲学者。東京高等師範附属小学校卒業後、10代で渡米し、ハーヴァード大学哲学科卒業。42年、日米交換船で帰国。46年、丸山眞男らと『思想の科学』を創刊。京大助教授、東京工大助教授、同志社大教授等を経て、70年代以降は教職につかず、在野の哲学者としてすごす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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