内容説明
“男らしさ”の近現代史。騎士道、ヴィンケルマンによるギリシア礼讃から近代体操の発明、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者迫害を経て、第二次大戦後の大衆文化へ。近代社会の成立から20世紀末までを射程に、ナショナリズムの主要素としての“男らしさ”のイデオロギーを解明した、歴史家モッセの晩年の傑作。
目次
第1章 序論―男らしさのステレオタイプ
第2章 男らしい美の規準設定
第3章 男らしい美への到達方法
第4章 対抗的タイプ
第5章 デカダンス―危機における男性性
第6章 戦士と社会主義者
第7章 男たちの標準的な社会
第8章 ファシズムの新しい男性
第9章 新しい男性性に向けて?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GASHOW
1
何が言いたいのかさっぱりわからないが、自分の知らない分野を研究している人かいることが学問の自由なんだと感じた。男性、美しさという単語は知っていても、300ページの主張は分からなかった。関心の無いことは、入ってこないんだと思う。入管法改正されたが、外国人労働者の人権を考えろと自民党と法務省役人に思う。労働の対価としての福祉をまかなう余裕がないと思うが、自民党と法務省の役人は、それの必要がない人と考えていて、奴隷のような扱いを想定している。人権の理解がなさすぎて入ってこないのだろう。とか思った。2018/12/07
ありさと
0
ドイツをはじめヨーロッパで「男らしさ」のステレオタイプが如何にして生まれてその対抗タイプとしての女性やホモセクシャル、ユダヤ人やジプシーが如何におとしめられ恐怖とされてきたか。近代でありファシズムなのだというお話。2017/12/15
トム
0
近代ヨーロッパにおいていかに男性性のイメージが作り上げられ、それがいかに家父長的・ナショナリスティックな社会構造と密接に関わっていたか書かれている。男性ステレオタイプは排他性を持ち、そこから逸脱する「対抗的タイプ」である周縁の人々(ユダヤ人、ジプシー、精神疾患を持つ人、同性愛者など)や、女性の存在によりますます強化されたという。2021/10/16