内容説明
友衛遊馬、18歳。弓道、剣道、茶道を伝える武家茶道坂東巴流の嫡男でありながら、「これからは自分らしく生きることにしたんだ。黒々した髪七三に分けてあんこ喰っててもしょうがないだろ」と捨て台詞を残して出奔。向かった先は、大嫌いなはずの茶道の本場、京都だった―。個性豊かな茶人たちにやりこめられつつ成長する主人公を描く、青春エンターテイメント前編。
著者等紹介
松村栄子[マツムラエイコ]
1961年静岡県生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。90年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞を、92年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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み
27
タイトルに魅かれ手に。遊馬って名前は流行?昨日読んだ本と同じ名前の主人公(@_@)感想は下巻に♪2016/09/16
ぱぴこ*2
21
完全にタイトル買い。もちろん松村栄子さん初読み。失礼ながら芥川賞作家さんだとも存じ上げず。先入観なしで読み始め、良いねぇ、好きだなぁ?ユルいのかと思いきやお茶の場面ではきりりと引き締める。なんともバランスが良くて読みやすい。話が動き始めたので続けて下巻へ。【積み本:48】2018/10/11
扉のこちら側
17
初読。青春茶道小説。家出した家元の長男が、身元を隠した京都での下宿生活の中で人々と交流していく。モラトリアム時代の少年少女の描写に定評のある作者だが、「僕はかぐや姫」「至高聖所」の澄み切った痛々しさのようなものはなく、柔らかに描かれている。2012/07/02
一月@読書停滞期
8
私も茶道を経験したことがあるので、お道具が出てきたシーンはとてもワクワクしました。知らないものも多く、ネットで検索して写真を見て納得。魚繋がりのお道具、とても素敵でした。奥深いなぁと思い、ますます興味が出ました。主人公は茶道なんて・・・って思っているけれど、体に沁みついてるものがあってなかなか離れられない。なんだかんだで縁もあり個性豊かな茶人と出逢う。そんな中で主人公は悩み、また感じていく・・・面白かったです。下も楽しみ!2010/03/22
Noelle
6
お茶好き、和事好きの友人のオススメにて、手に取ったら、まあ、面白いビルドゥングロマンスでございました。 著者の作品は「ひよっこ茶人…」で楽しく読んでいたが、まあ茶道家元の不肖の跡取り息子遊馬の家出話。展開する京都は蛸薬師通り畳屋町。最近よく出入りするお店の近辺。なんだか隣の街に住み着いた青年のようで、やることなすこと目が離せなくなります。カンナさんのキャラも妻帯僧侶の不穏さんもよくわからない幸麿さんも気になる気になる。「カブキブ」のお茶版みたいと思うのは私だけ?2018/03/06