内容説明
野人!?怪物?!悪魔!?精霊?!160種のワイルドマン登場。古来より継承される仮装の儀式。ヨーロッパ19カ国の伝統衣装を収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
40
人は何を敬い、何を怖れ、何を伝えたいのか・・日本とは異なる文化・歴史の結果が、興味深い。いくつかのパターンの分類できように見えたが、共通するものが底流にあるからだろう。カウベルが目に付くのが、その一つの現れかもしれない。見ていて飽きることもないし、想像が広がる。2020/03/28
りー
32
ヨーロッパの祭事に登場する獣人「ワイルドマン」の衣装のヴィジュアルを収めることに特化した写真集。写真集であって資料集ではないので勘違いしないこと。そして祭事の様子も特に載ってはいないので気をつけること。そこさえ留意しておけば実に見事な一冊。一体一体の獣人達がただそこに佇んでいる姿をひたすらフィルムに焼き付けただけなのだが、圧倒的な存在感に戦慄する。そこには確かに、「獣の皮をかぶった人間」ではない何かが宿っている。写真の腕も良い。動きのある画ではないのに今にもその目がこちらを捉えそうな気配を感じるのだ。2014/03/01
Kazuo
21
フランス人写真家による欧州の祭に登場する獣人の写真集。キリスト教の世界に本書のような獣の皮を被った人が登場する祭が残っていると思っていなかったため、かなり驚いた。冷静に思い返せば、狼男や人魚、スターウォーズのクリーチャーなど西欧文明にも獣人的なイメージは溢れているが、獣人が現代の祭にこれほど登場するとは、驚きを隠せない。一神教と科学に、隅々まで照らされる世界も、獣人なしには完結できないのかもしれない。同じ著者の姉妹本として日本の祭の獣人写真集「YOKAI NO SHIMA」がある。 2021/03/07
サアベドラ
21
ヨーロッパ各地の祝祭に現れる「異形のもの」達のポートレート。著者はフランスの写真家。獣人、悪魔、グリーンマン、ストローマンなどといった彼らの出で立ちにキリスト教以前のアニミズム的信仰を見てとることは易しいけれども、同時に彼らが今も行われている祝祭に登場する「生きた伝統」に属していることを考えると、そのような見方は単純化しすぎで頭でっかちではないかという気にもなってくる。この写真集には祝祭の様子は一切出てこない。異形の仮装をした人々が佇むのみである。著者が見てもらいたいことは要するにそういうことなのだろう。2017/11/24
らる
18
いい意味で、とても衝撃的です。怖さと美しさとが混ざり合う、人らしかぬ"獣人"の姿は大変に興味深く惹かれます。 個人的に一番印象的で惹かれたもの、イタリアのシュナップフィーシャー。前のページのものと似ているが少しずつ違い、無造作な並びの長い牙と赤く汚れた口元からも感じるものがある。表紙にもなっているブルガリアのバブゲリもとても面白い。ブルガリア内で同じバブゲリに分類されるものでも、やはり地域によって少しずつ差があるようです。2017/11/21