内容説明
佐内正史衝撃のデビュー作『生きている』(青幻舎)から7年。この間に佐内は『わからない』『タンタンと』『message』そして木村伊兵衛写真賞受賞作『MAP』『Chair Album』と、数多くの写真集を世に送りだしてきた。光と陰、記号と風景、戦争と平和、愛と誠…異なるものがせめぎ合う“世紀”の境界を跨いで、佐内正史の変わらない感情、移り動く意識が反響する新しい写真集が、私たちの前に現れる。それが『鉄火』だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりさめ
2
陰影が少ないフラットで淡い色合いの写真たち。もとはそれぞれ人の持ち物だったりお昼ご飯だったり、誰かがいつも通る道や仕事をする場所だったりするのだろう。そんなバラバラの空間にあったもの同士がこうして矩形の画角に均一に収まり、一冊の本の中で並んでいるのを見ると、本来は馴染み深いものの別の姿を見たような気持ちになる。それはよそよそしいという感覚ではなく、普段誰の目にも触れられくらいの隅っこでひっそり存在していたものが美しい光の中で心地良さそうにたたずんでいるのを遠くから覗いてぼうっと見惚れてしまうような感覚だ。2021/08/05
miiiii
2
色がいい。2011/01/10