内容説明
本書は、『週刊金曜日』誌で連載した「収穫の時」(一九九九年~二〇〇〇年)と「漁歌」(二〇〇一年~二〇〇二年)の記事に加え、今回あらたに数カ所の漁場を取材・収録した。書籍化にあたっては、雑誌連載時に盛り込まなかった漁獲魚の食材としての側面にもふれ、より広く「漁」の世界に突っ込んでいる。
目次
秋刀魚―脂がのったサンマは漆黒の海からやってくる
鯖―ブランド化されたサバは新たな鯖街道を作りだした
鱈―流氷迫る北の海で、巧みの漁師が限界の漁に挑む
蟹―日本海の味覚の王様、その複雑な流通のからくり
牡蠣―養殖場の漁民は木を植え、森を作り、海を育てる
鯛―現在の「タイの本場」は養殖マダイの大生産地
烏賊―春、魚食の民を支える漁り火の北上が始まる
鮪―“陸の欲望”を支えるあまりにも厳しい漁の風景
鰹―一年の大半を旅に暮らし、カツオと闘う釣り師たち
昆布―浜に干される日本人の味覚の原風景 その変貌
鮭―大量に沸く定置網漁と、失われゆく北の民の漁
著者等紹介
木村聡[キムラサトル]
1965年、東京都生まれ。フォトジャーナリスト。新聞社の写真記者を経て、94年からフリーランス。アフリカ、東ヨーロッパ、ベトナムなど、主に海外のドキュメンタリー取材を中心に活動。東京の月島在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。