天皇の起原

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784860971694
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0095

内容説明

天皇は私どもの目の前に現存する大きな謎である。日本の謎であり、世界の謎である。この謎を解くための学問的努力は、戦後にかぎらず、明治時代にも江戸時代にも繰りかえされてきた。さかのぼれば、古事記も日本書紀も謎解きの書であってと言える。天皇制の盛衰と変形、その謎めいた存続と発展を語る時には、まず、その「起原」を知ることが必要となろう。女性・女系天皇の可否は?今、読むべき“天皇の起原・伝統”。

目次

世界の謎―天皇
太古の日本列島
原始信仰と日本民俗学
天皇とシャーマン
呪術・宗教・科学
フレイザーとベネディクト
無私の天皇
神話と歴史
戦後派歴史家の天皇論
三島由紀夫の天皇観
天皇と大嘗祭の秘儀
天皇と宗教

著者等紹介

林房雄[ハヤシフサオ]
作家。明治36年大分市に生れる。本名後藤寿夫。東大法学部政治学科中退。学生時代「新人会」にて活躍、プロレタリア文学運動に参加、のち転向。昭和7年「青年」を発表、以来、日本主義的傾向の作品、評論等を発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nobody

16
転向者の悲哀。人間は見たいものしか見ない。急がば回れ。総じて根底に窺えるのは権力からの逃避。「研究書」と称しながら天皇は合理主義や科学主義を超越しておりそれらの主義に「毒されている」者は浅学非才であると。随所に非専門家との留保を挟み、勢い叙論に自信を薄くし、それを頻々たる左翼批判でお茶を濁す。「天子非即神論の発生は万葉時代」、その根拠は全く述べぬ。「現人神という言葉も天皇即神とは無縁」とただ道断するだけ。「日本の神人分離は古典の記録でも遅くとも2600年前に行われている」、ほう、縄文文字を発見しましたか。2018/03/31

猫丸

15
序章からいきなり「天皇は少なくとも三千年の歴史の波をくぐって存続してきた」とサラッと出てくるから嫌な予感がしたんだ。結果的に時間の無駄であった。本書に取り柄があるとしたら三島由紀夫の引用部分のみ。あとは見飽きた感想文である。要約すると、天皇は神ではなくシャーマンでもない。至高のナニかに祈りを捧げる存在である、ということだそうだ。とにかく信仰を抜きにしたら天皇の本質はつかめないという。表面的には三島と同じことを言っているようで、レベルが格段に低い。ほとんど現代の商業右翼に近い線まで下がっている。2021/08/14

南註亭

0
三島由紀夫論ではないが、「三島由紀夫の天皇観」について1章をもうけている。47ページていどの小論であるが、三島理解のためには欠かせない論考である。 本書じたいは歴史学や宗教学や民族学などいろいろなアプローチを試み、また歴史学者たちの諸論の紹介と批評もされている。 さらに今日ではほとんど忘れられている里見岸雄や橘孝三郎の主張についても言及しており、非常に参考になる。 関心のある者にとっては必読の一書である。 カテゴリーは、あえて「三島由紀夫関連」とした。 オススメ度 ☆☆☆☆☆2012/03/05

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