小島の春―ハンセン病治療に、生涯を捧げたある女医の手記 (復刻版)

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784860953317
  • NDC分類 916
  • Cコード C0091

内容説明

身を挺してハンセン病患者の救済にあたり、若くして亡くなった小川正子の軌跡。

目次

写真五葉
土佐の秋
再び土佐へ
国境の雪
淋しき父母
阿波講演旅行の歌
小島の春

著者等紹介

小川正子[オガワマサコ]
1902(明治35)年生。山梨県出身。昭和4年東京女子医学専門学校本科卒業。長島愛生園には昭和9年10月から昭和16年10月まで勤務。昭和18年4月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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榊原 香織

82
先日、山梨の小川正子記念館に立ち寄った。 ハンセン病の医師でかって一世を風靡した映画になった、とのことだったので読んでみた。 あれ?これ、ヤバい? Wiki見たら、隔離政策と偏見を広めた、と現代では批判されているとのこと。 戦中、遺伝ではなく伝染病だと分かったばかりの時代、岡山県僻地に患者を訪ねては瀬戸内の小島”愛生園”に収容する活動が主。2021/07/28

Schuhschnabel

3
1938年出版の初版本を図書館で読む。藤野豊の酷評を読んだ後なのでバイアスがかかってはいるが、純粋な資料的価値は認めるものの、文学的価値があるようには思われず、こじらせ文学少女の書いた文章という感じがした。文学的誇張がないならば、これだけ涙腺がもろくてよくハンセン病療養所の仕事をやっていられるなという点で尊敬の念を抱くものの、療養所に隔離することが社会や家族のためであると同時に患者のためでもあるという皮相的なヒューマニズムを日本全国にばらまいた責任はあまりにも重い。映画の方も探して観てみようと思う。2021/05/29

Omelette

1
ハンセン病をもつ患者を、著者は「病友」と呼ぶ。当時この病気は遺伝性と信じられていた。身内に患者ができると家の恥と考え、人目に触れさせぬよう隠して世話する。その結果満足に治療をうけられない人も多かった。著者は、それが患者にとって幸せであるとの確信をもって、自らの勤める国立療養所に患者を「誘う」。あくまで腹を割って話し、苦しみを共感することで、それが幸せだと患者本人にも納得させようとする。なぜなら病院に行くことは生活の始まりであって、ゴールではないからだ。著者の見た景色がありありと目に浮かぶ。小林秀雄も激賞。2011/02/16

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