奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784860730451
  • NDC分類 365.35
  • Cコード C0052

内容説明

昭和30年代、日本住宅公団の時代。こういう田園都市的なイメージを持った公団住宅がなぜ生まれ得たのか?単に近代的な団地をつくるということだけではない、何らかの思いがあったのではないだろうか。この点がまさに本書全体で問いたいテーマである。

目次

序 「ここは団地なのか?」(阿佐ヶ谷住宅ができた時代;「すごくいい時代だった」昭和30年代前半のメッセージ ほか)
第1章 阿佐ヶ谷住宅と建築家たち(前川國男、津端修一、大高正人;テラスハウスを絶妙にレイアウトした公団若手建築家 ほか)
第2章 阿佐ヶ谷住宅設計の舞台裏(絵になるような阿佐ヶ谷住宅;教科書的にも優秀な団地 ほか)
第3章 住まわれた阿佐ヶ谷住宅(生活の場としての阿佐ヶ谷住宅;阿佐ヶ谷団地ではなく阿佐ヶ谷住宅 ほか)
第4章 阿佐ヶ谷住宅のテラスハウス(テラスハウスとは?;日本のテラスハウスの原型 ほか)

著者等紹介

三浦展[ミウラアツシ]
1958年新潟県生まれ。82年一橋大学社会学部卒業、パルコ入社、「アクロス」編集長を経て、90年三菱総合研究所入社、99年消費・都市・文化研究シンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」設立

大月敏雄[オオツキトシオ]
1967年福岡県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。同大学院建築学専攻博士課程単位取得退学。横浜国立大学助手、東京理科大学助教授を経て、東京大学大学院建築学専攻准教授。博士(工学)。建築計画、住宅地計画を専門とする

志岐祐一[シキユウイチ]
1966年鹿児島県生まれ。東京都立大学工学部建築工学科卒業。ベル・コムーネ研究所などを経て現在は日東設計事務所。関東学院大学非常勤講師。歴史的建造物の調査、移築、展示、アーカイブなどを行う。主な業務に、UR都市機構集合住宅歴史館、江戸東京博物館、たてもの園の特別展、深川東京モダン館の展示など

松本真澄[マツモトマスミ]
1989年日本女子大学住居学科卒業。同大学院住居学専攻修士課程を中退し、東京都立大学建築学科助手へ。現在、首都大学東京都市環境学部建築都市コース助教。青山学院女子短期大学非常勤講師。研究テーマは、単身者や女性の居住、多摩ニュータウンの生活環境など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

22
団地マニアが隠れた名作と評する阿佐ヶ谷住宅を、1冊まるごと論じたかなりマニアックな作品。コンセプト等に先進的な部分も多々あったこの住宅も、いまではプラウドシティになってしまったようで、ぜひ見ておきたかった…。2023/03/08

マーム

10
創立間もない頃の公団の公的機関とは思えないような自由闊達な雰囲気と、建築家たちの並々ならぬ熱気が、そしてそこに住まう人々のライフスタイルが、「奇跡の団地」と呼ばれる阿佐ヶ谷住宅を生んだのだということが分かる。そして、そのようにこれまで過ぎ去った年月により熟成された阿佐ヶ谷住宅のような住宅が消えてゆく日本の現実が悲しい。2010/08/19

一歩

2
購入してから丸3年。ようやく読了。 僕の東京生活でとても心に残る、あの異空間。懐かしさに包まれたあの阿佐ヶ谷住宅を忘れない。 今は取り壊されて新たな開発が進行しているんだろうけど、あの貴重な空間が大好きだった。 本書はまさにあの阿佐ヶ谷住宅を通し、戦後のテラスハウスや団地の変遷を紐解く内容。 驚いたのは、阿佐ヶ谷住宅って公営ではなく、分譲地であり、あの一つ一つの住宅は私有地であったということ。それでも敢えて曖昧な「公」と「私」が混ざる空間構成、ニューアーバニズムのお手本だというあの場所が忘れられない。2014/05/11

リッキーまち子

2
奇跡の団地と形容しているが、読む程に、あくまでも必然的に阿佐ヶ谷住宅は生まれたのだと感じた。住宅そのものや設計者を主観で過剰に賛美するような文章の繰り返しが随所に見受けられた。無用な脚色である。自然、阿佐ヶ谷住宅を批判する目がほぼ抜け落ちている。古い住宅との対比として経済効率優先の近年の建築界や国民の住まいづくりの意識低下を難じてもいるのだが、取って付けたような愚痴でしかない。ただ消極的に懐古に浸るんでなく、未来を志向して具体的に"ビスタ"を示して欲しかった。2012/11/03

musica

2
阿佐ヶ谷住宅ほどではないにしてもわたしたちのまわりに確かにあった光景なのだ。 それは、こどもの頃の記憶にすりこまれている原風景。 放課後ともだちと団地の公園でブランコを揺らした思い出とともに。 でも、いつからだろう。 経済優先の行政や民間業者によって画一的で無個性の住宅が 田んぼを覆い尽くし、向こう三軒両隣はもはや死語となってしまった。 そんなよりよい住環境を求めることに対して思考停止のまま毎年供給される高層マンションや所謂ハウスメーカー住宅に迎合する我々に一石を投じた一冊ではないだろうか。 阿佐ヶ2012/08/21

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