内容説明
アメリカが間違っているのは手段か、それとも目的か。アフガン戦争、イラク戦争に「正解」はあるのか。ベトナム戦争とイラク戦争はどう違うのか。“憎しみの連鎖”を断ち切る方法はあるのか。世界は戦争に「慣れて」いくのか。すべて答える。
目次
01 戦争を解禁したアメリカ―9・11事件
02 アフガニスタン戦争でアメリカは何を失ったか
03 開戦前夜―私はイラク戦争になぜ反対したのか
04 勝利宣言―戦争に勝ってもアメリカは負け続ける
05 誤算―なぜ戦争は終らないのか
補章 日本人人質事件―「国際化」できなかった日本人
06 イスラムの理屈とどう向き合うか
07 イラクから世界は壊れるのか 対談×酒井啓子
08 イラク戦争の教訓、そして未来
著者等紹介
藤原帰一[フジワラキイチ]
1956年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻は国際政治、比較政治、東南アジア政治。現在、季刊誌『SIGHT』で時評インタヴュー連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カザリ
40
内容的には古いけれど、この本でよかったことは、アメリカがなぜイラク・アフガン戦争をしたのかということよりも、①日本がASEANを通してベトナムやカンボジアの冷戦復興を助け、和平のプロセスを可能にしたこと②イスラム圏はたしかに冷戦の犠牲者であったかもしれないけれど、テロの理論の中には常に自分がたちが犠牲者で加害者の先進国に復讐をしてもいい、というある意味甘えた発想もあること。この2点が新しかった。冷戦の戦後処理がテロを生み出したとしても、日本の東アジアに対する戦後処理に和平のヒントがあったのだと感動した2017/08/26
ねこ
12
国際情勢を分析することは非常に重要であり、それを行うことを生業とする国際政治学者もとても重要なポストである。藤原先生は著名な学者であり、尊敬する部分も多分にある。しかし、どこかシニカルで、どこか冷たくて、俯瞰している。故に「何のため」という意義が見え辛い。自分はどこまでも人間主義を貫いて世界を見ていく人間でいたいと思う。2015/09/12
Miyuki Yano
0
9.11後を理解しよう②2013/07/14