海のふた

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  • サイズ B6判/ページ数 187p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784860520373
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

第二の故郷と言える西伊豆・土肥へのよしもとばななの恩返し。版画家・名嘉睦稔との初のコラボレーションにして、初の新聞連載小説、遂に単行本化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美登利

40
淡々と綴られるひと夏の二人の女の子の再生のお話。ばななさんの思い出に溢れた西伊豆の町が舞台です。初めは沖縄なのかな?と感じましたが、考えてみたら伊豆には一度も行ったことが無いのに、何となく懐かしい雰囲気が漂うように感じたのは海に近い場所に若い頃住んでいたからかな。もうどのくらい海で泳いで無いだろうか、ほぼ毎日海岸を見る事はあっても海辺を歩くことは無いな。寂れていく故郷に帰ってきた主人公が、かき氷やを始めて、そこに知り合いの女の子が心の傷を癒やしにやってくるごく普通の夏、二人の触れ合いが優しいお話でした。2015/06/30

キラ@道北民

29
西伊豆の小さな町で、2人の女の子の再生物語。メモしたくなるフレーズ満載なうえ、版画も魅入ってしまうものばかり。よしもと作品は読むと気持ちのさざ波が凪いで来ますね。夏の暑さ、海や山を畏れる心、かき氷の儚さ、感じるままに過ごすひと夏を一緒に過ごした気分です。2016/04/06

白雪ちょこ

20
沖縄で起きた、美しくもどこか悲しさが漂う二人の女性の物語。 かき氷屋を営むわ男らしくサバサバした女性と、顔と体に火傷の傷を負った、哀しさを背負いながら生きていく女性。 どちらも本当にいそうで、平凡な日常で傷つき、支え合う。 そんなリアルだからこそ、感情移入しやすく、家族を失った悲しみに溢れた表現は、こちらもとても胸が締め付けられた。 美しい版画と共に、沖縄の海の美しさや島の風景。 環境、時代の懐かしさなどが、作者の綺麗な文章とともに描かれている。2022/10/14

霜月

18
かき氷がとても神聖な食べ物のように思える一冊。私たちには大それた野望を遂げられるようなエネルギーはないけれど、身の回りの日々の生活を楽しんで慈しんでいくことこそが大事なのだということが切々と説かれている。目の前には悠久なものが漠然と横たわり、私たちはその周りをちょろちょろと動き回るちっぽけなものにすぎないのだと。わずらわされるものは些細なことで、自分の中の根をしっかり張って幹を伸ばし葉を茂らせれば私たちはみんな幸せになれるはず。版画も素晴らしく内容に沿っていて素敵な本だった。2015/03/27

花花

16
再読。大好きなふるさとで大好きなかき氷屋をやる。まりとはじめちゃんのひと夏。わずかなお金でも豊かな理想的な暮らし。なにげない日常となにげない会話の中にハッと気づかされることがたびたび。それでいて優しい。ばなな作品はどれも何回も繰り返し読みたくなる。この本は時期的にも気持ち的にもしっくり。2012/07/01

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