目次
ひとのあかし
みなみ風吹く日
神隠しされた街
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
50
【図書館】政府が女性を起用するという意気込みはいいとは思う。だが、母親でもあるその女性大臣が原発抜きには日本はやっていけないんだという。これは、本当に彼女自身が、人間として、女性として、母親として、心の奥の鏡に照らしていえたことばなのか?それとも、彼女に言わせた政府の嘘なのか?俺たちは嘘をつきすぎて、何が嘘で真実であるのかも、もう分からなくなっているのではないか?詩のコトバとしての予言を、アーサー・ビナードが英訳。俺達日本人は、ある意味、限界まできたんじゃないか?どこまでいけば死への欲望を自覚できるのか?2014/09/22
も
25
1994年、詩人の若松丈太郎さんによって書かれた『神隠しされた街』は予言だとささやかれているとか。確かに読んでみれば2011年3月に報道されていたことと重なります。前書きにも書かれていたように、本当にゾクリとするような詩でした。2015/03/16
けんとまん1007
20
ひとのあかし・・・何と奥の深い言葉だろう。人の証。人としての証。詩があり、訳詞があり、写真がある。それぞれが、それぞれに響きあい、何倍にもなって魂に響く。そして、その内容そのものが、予言でもあるようにすら思える。この本は、すべとの人、特に、政治家・官僚・そきに寄生する経済・エセ文化人には、痛い本だと思うのだが、どうだろうか。自分も、ひとのあかしを残していきたい。2017/04/14
たくのみ
13
そう、この詩は3.11の前に書かれていた予言の書。若松丈太郎さんは、チェルノブイリを見に行ったあと、原発の放射線漏れの危険を告発。誰もいなくなったロシアの街プリビヤチ市を「45,000人が神隠しにあった」、福島第一原発の半径30キロ圏内がそうなると書かれている。誰もかえりみなかったこの予言が現実になった今、第三のチェルノブイリが出現しないようにするには、脱原発しかないのだろう。2013/11/18
ちいさな図書館
10
まるで予言のような言葉の数々に驚く。けれどその驚き以上に、こうした警告に耳を傾ける努力を全くしてこなかったことが怖くなった。たくさんの意見、たくさんの祈り…答えは簡単に出るものではないけれど、知る努力、考える力を持つことが、同じことを繰り返さないために大切と感じる。終戦の日、祈る気持ちで読んだ。視野が広がる本だった。2014/08/15