内容説明
「能」と「農」。庄内の黒川で育まれてきた人びとの暮らしの原点がここに。
目次
王祗祭
里の風土
黒川能の四季
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴロチビ
3
船曳由美「黒川能」がとても良かったので、ビジュアル面で補完できるかと期待して。写真家大石が庄内に通ったのは1997年以降とあり、船曳の時代とは数十年もの開きがあるが、それでも変わらぬもの変わったもの交々感じられて感慨があった。歌人馬場あき子の黒川入りは昭和49年とあり、船曳「黒川能」の約十年後になるようだが、以来数十年、黒川能に魅せられ通い詰めた一人らしい。王祇祭の詳細については船曳版が最高であることを確認するが、定宿の老人とのやりとりが白眉。生きた教養とはこういう事かと胸がぞくぞくする程感じ入った。2020/05/20