出版社内容情報
山口瞳とともに競馬場に通いつめた編集者が綴る評伝エッセイ。
坪松博之[ツボマツヒロユキ]
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
18
競馬の知識や興味がない人には面白くないだろうなあと思いながら読み進む。Y先生の戦果とレース内容を克明に描くことで、少しずつ進む時間と老い、それと格闘しあきらめていくY先生の姿が見えてくる。久しぶりに山口瞳の文章を読んだが、ああ、そうそう、こういう書きぶりだったなあと思い出した。文豪が先生と呼ばれていた最後の時代の記録。2017/05/04
YumiMori
3
久しぶりのがっつり読書がこの本でよかった。読んでいる時間が心地良く…ただただ最終章だけは来ないでほしい、消えてほしいと願い虚しく。久しぶりに競馬場行ってみようかな… 2018/11/05
imagine
2
著者はY先生のお供として数々の競馬場、旅先に同行したサントリー広報部の編集者。会社の大先輩をもてなす使命感と充実感からか、全体的に先生へのリスペクトが漲る。先生愛が溢れすぎていて、置いて行かれることもしばしば。だが詳細なレース描写には筆力を感じる。騎手の一挙手一投足、競走馬の様子、先生の反応が子細に描かれている。取り上げられているレースは競馬界が最も盛り上がっていた時期。馬連の導入、武豊の台頭、地方との交流開始などがあった。自分も遊び方を覚えて最も馬券を買っていた時期だったので、懐かしく読めました。2017/10/21
8810mcd
1
「特別な一日である。競馬の一年は夏の新馬デビューにはじまり、その頂点を決めるダービーで終わる。ここで当るか当たらないかは、馬券購入者がその一年間何をしてきたかが試される、いわゆる終了試験である。天皇賞も、ジャパンカップも、有馬記念も、どんなひどい負け方をしても構わない。ダービーだけは絶対に当てなければならない。」 馬事文化賞を予感させる書き出し。 サントリーでY先生(山口瞳)の担当をしていた著者によるY先生と競馬の思い出。文章から溢れ出すY先生に対する敬意。K大学病院で検査をしてもらいながら読了。2017/12/10
コウみん
1
10年間、競馬を愛した作家の山口瞳先生の競馬の愛情があるエッセイ。 彼は20年前に亡くなったが、彼の競馬についての愛情はすばらしいと思った。 ちなみに本の雑誌社で競馬関連の本も一杯書いてあることを最近、知った。 競馬が好きな人は是非読んでほしい。 2017/06/24