内容説明
突然あたしは何もない部屋に住みたくなった。生活道具や家具などから自ら長年蒐集してきたお宝本や書き続けてきたイラストまで大放出する捨て暮らしエッセイ。
目次
Level1 Start(職種と荷物;カタストロフ襲来;冷蔵庫の聖域;家具の圧迫;靴とも、さらば;さっくり捨てろ;不味いだけでは捨てられぬ;夏に生まれた生態系;腐れ縁チェア;三度目の死に支度)
Level2 Fire(捨てまくり着火点;ゴミに、歴史あり;豚とゴミ;シロアリ退散;糞尿を浄化せよ;ヘルハウスの清算とその後;豚のいたスナック;素敵な見せ合い)
Level3 Storm(蒐集の血統;三月十一日;さらばトイレットペーパー;アーフターベの極意;一日一枚ハンドタオル)
Level4 Festival(本が減らない!;本収納の永い旅;紙と製本のボディブロー;さらば「お宝本」;イラスト比丘尼、如是説法;言葉にできない;この一冊だけは;恥の展示;恥に値段を;恥のあとさき;人生折り返し包丁;そして多肉が残った;さらば捨て暮らし)
著者等紹介
内澤旬子[ウチザワジュンコ]
1967年神奈川県生まれ。文筆家、イラストレーター。『身体のいいなり』で第27回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろんこ*勉強のため休止中
151
わたしの家にはほぼなんにもない。何か捨てた場合は、明日からの生活にいきなり支障が出るほどスカスカだ。子供の頃から物欲がなかったので、バンバン処分するほど物を持ったことがない。本書を読んだのは、捨てる事によって得られるであろうカタルシスを作者とともに味わってみたかったから。余分な贅肉をそぎ落とすような快楽だろうと期待していた。だが作者は物に対する執着をいまいち捨てきれていないような気がして、期待はずれだった。それよりまさかのどんでん返しだった「あとがき」がよかった。この「あとがき」の為に読んだ感じかも。2014/03/26
どんぐり
71
イラストルポライターの内澤さんの本。乳がん体験を記した『身体の言いなり』に次いで2冊目を読み終える。「本の雑誌」2010年5月号より2013年8月号までの連載をまとめたもの。いわゆる断捨離に関する実践記だ。文体は話ことばで、連載誌のティスト濃厚で、やたらドタバタと騒々しい。豚を飼育して食べる『飼い食い』や離婚や病気のことなど、これまで書き表してきたものの余録の部分を連ねているので、雑文の類といっていいだろう。モノがあるとストレスになる、だからじゃんじゃん捨てて気持ちよくなりたい。その先にあるのは幸福? 2015/04/22
ミーコ
64
新聞の書評を読んで「捨てられない女」の私は図書館へ・・・。捨てるコツの指南書かと思ってたら 内澤さん(初読み)のエッセイ的なお話…。面白おかしく書いて有りますが 乳癌になり、本当は身体的にも精神的にも凄く大変だったと思います。廃屋を借り豚を3匹飼って食べると言うお話には、えっ?となりました。余りにも捨て過ぎると スッキリした~❣ のあと寂しさが押し寄せてグループのか・・・ やっぱり私には「捨てる女」にはなれそうもありません(・_・;2017/06/03
パフちゃん@かのん変更
62
断捨離本かと思ったら全然違いました。イラストルポライターという職業だそうです。すごく個性的な人。『飼い喰い』なんて言って、豚を3頭育てて食べたりw(゜o゜)w 捨てモードになる前はものすごく収集癖のある人だったようだ。お母様はさっぱり断捨離系の方だそうで、親子でも随分違うんだな。しかし、この人の個性にはちょっと付いていけません(-_-;)2015/01/21
扉のこちら側
58
初読。2014年89冊め。綺麗さっぱりという読後感はなかった。食べることとか排泄物とか、切り離せないどろどろした感情とか。赤裸々に書かれていて、自分も思うところがあるからか、なおさらいたたまれない。2014/02/13