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内容説明
本書で語られていることは、子供っぽい善意やヒューマンな常識から大きくはみ出している。それは人間性とその社会の、暗く罪深く、けして治癒することのない不変の悪と、その悪とともにあるが故に陰影深く、きらめき、輝く美しさ、いかなる呪いにも負けない善良さ、鋭く濃厚な味わいを体験することにほかならない。―この本は、読書の一方の真髄である領域にあなたを案内するとともに、その旅を通じて、あなた自身の成熟を問う一冊である。
目次
「読書」の呪縛と破壊力―『新版放浪記』林芙美子と『シェイクスピアはわれらの同時代人』ヤン・コット
「政治」への苛立ちと快楽―『成熟と喪失』江藤淳と『パルムの僧院』スタンダール
「女」の謎と解放―『神戸』西東三鬼と『アナイス・ニンの日記』アナイス・ニン
「賭博」による転生―『賭博者』ドストエフスキーと『新麻雀放浪記』阿佐田哲也
「玄人」の覚悟―『旅の終わりの音楽』エリック・フォスネス・ハンセンと『芸談あばらかべっそん』桂文楽
「同情」からの逃走―『暗い時代の人々』H・アレントと『魔の退屈』坂口安吾
「米国」という名の亡霊―『ビアス短篇集』A・ビアスと『或る女』島崎藤村
「階級」の文化的豊かさ―『悪意と憂鬱の英国式週末テニス』マデリーン・ウィッカムと『但馬太郎冶伝』獅子文六
「性」は信じるに値するか―『天の夕顔』中河与一と『詩人と女たち』C・ブコウスキー
「恋愛」が腐れた後の恋―『王道』A・マルローと『海軍』獅子文六〔ほか〕
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年東京生まれ。文芸評論家。慶応義塾大学環境情報学部教授。『奇妙な廃墟―フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール』(89年)で文壇デビュー。以後、旺盛な筆力と正確な読解で文芸、歴史、政治、社会、音楽・映画他あらゆる芸能などを論じて、批評家として抜群の信頼と人気を得る。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞。96年『甘美な人生』で平林たい子文学賞。02年『地ひらく―石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞。06年『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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k.m.joe
静かなる中条
でろり~ん
ジュンケイ
keiトモニ