- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > ワニブックスPLUS新書
内容説明
志賀直哉はキレまくったD.Vの狼藉者。ドストエフスキーは自意識過剰のギャンブル中毒。川端康成は何ひとつケジメをつけない極限の無頓着。…24人の巨匠の感動的なまでに痛い秘密が晒される。抑えきれない「感情」に翻弄された大作家たちは、生きる苦痛に喘ぐ僕たちの隣人だ!現代最高の文芸評論家による文学と人生の入門書。
目次
ヒョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
川端康成
オノレ・ド・バルザック
志賀直哉
ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
菊池寛
チャールズ・ディケンズ
高浜虚子
アントン・チェホフ
島崎藤村アーネスト・ヘミングウェイ
深沢七郎
スタンダール
徳田秋声
D.H.ロレンス
永井荷風
ヘンリー・ミラー
色川武大
スコット・フィッツジェラルド
金子光晴
レイモンド・チャンドラー
梅崎春生
ヘンリー・ジェイムズ
三島由紀夫
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年東京生まれ。文芸評論家。慶応義塾大学環境情報学部教授。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞。96年『甘美な人生』で平林たい子文学賞。02年『地ひらく―石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞。06年『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
福田さんの毒舌にかかるとみんなろくでなしになってしまうのですね。ただやはり小説というものの面白さを説いているという気がします。外国人と日本人の作家をそれぞれ12人づつピックアップして、その代表的な作品をけなしているというか評価しているのでしょう。そのほかにも作品を上げていてくれてその作品全部読むだけで、小説のだいご味は味わえると思います。2015/10/12
とびほびこび
31
名だたる作家達がろくでなし扱い。詳しく知らないのでその言葉が適切かはともかくとして、知識を深める事は出来た。数々の偉人文学の鬼達から崇拝、畏敬された島崎藤村は、その理由として文学そのものの評価よりも文学に対する献身の強さ、激しさの為から来るものだということ。川端康成の芸妓(だったか?)を一列に並ばせてじっと睨めまわすなど数々のろくでなしっぷりが綴られている。思うに、才能を極限まで研ぎ澄ませ作品に投映したが故に代償を払った行為や考えこそが「ろくでなし」という物差しで人から見られるのだろうか。2015/02/14
Tadashi_N
20
真人間は文筆業に向かないのか?どなたの体験もエキセントリック。2021/09/23
ロマンチッカーnao
11
国内外の大作家のろくでなしな話しを集めてます。。ドフトエフスキーやら、志賀直哉やら、スタンダールやら、川端康成やら。。 興味のある話もあるし・・・別にって話しもあるし・・ でも、そんな事よりも、この本の巻頭にある作者の、本は人生を作るって文章がたまらなくいいです!!全文ここに載せたいくらい・・でも、無理だから。。ちょっとだけ。。 作家の精神が行きついた先までその作家の本を読むだけで追体験できる。だからこそ、本を読むことは、人生を豊かにするのです。。 2015/02/26
ワッピー
6
「ダ・ヴィンチ」に連載された文学評論。文学者の人としてどうかという部分に焦点を当てて、東西24名の作家のエピソード、作品を紹介。どの作家も書かざるを得ない「業」というものを抱え、『辛苦しみつつ降る』行程とその成果を対比させており、文学に疎いワッピーにとっては次の世界を開く扉本となりました。ライトながら、予想をはるかに上回るおもしろさで、読後に著者序文を読み返して「本を読むのは、人生を作ること」を再発見し、心から共感しました。書物は文字のみで構成される古いメディアですが、読者の体験を映す素晴らしい鏡ですね。2018/10/22