内容説明
古来、日本の国土は「まほろばの国」と呼ばれ、美しい景観に包まれていた。しかし、高度経済成長期以降、いつのまにかコンクリートによって国土は固められ、美から醜へと変わっていった。日本の景観破壊はいつまで続くのか。いつになったら、われわれは景観の重要性に気付くのだろうか。それともこのまま社会は進み続けるのだろうか。そんな状況への警鐘の書。
目次
序章(五重塔はなぜ美しいのか)
第1章 海浜(親不知、子不知―消えた北陸道の難所;九十九里浜―ヘッドランドに侵蝕される砂浜 ほか)
第2章 山野(鬼泪山―伝説の山が消える;伊豆半島―知られざる巨大風車による受難 ほか)
第3章 湖沼と川(寒霞渓―ダムに壊される渓谷美;琵琶湖岸―開発に泣く古典のふるさと ほか)
第4章 都市(平城京―朱雀門・大極殿復原の問題点;新宿御苑―高層ビルの景観破壊 ほか)
第5章 生活(雀―お宿はどこに?;ナラ枯れ―山のミドリが消えていく ほか)
終章(対談「景観はなぜ損なわれたか」;神を畏れぬ人々 ほか)
著者等紹介
浅見和彦[アサミカズヒコ]
1947年東京都生まれ。東京大学文学部卒。同大学院博士課程満期退学。成蹊大学文学部教授を経て、2013年退職。現在、同大学名誉教授。日本古典文学、地域文化論、景観保護の観点から環境日本学を提唱
川村晃生[カワムラテルオ]
1946年山梨県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学教授を経て2012年定年退任。同大学名誉教授、博士(文学)。日本文学、環境人文学専攻。リニア・市民ネット代表、全国自然保護連合代表、日本景観学会副会長。日本文学の研究をベースに、文学研究の観点から環境問題に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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