内容説明
本書は、チェルノブイリ原発から2年、当時のソ連体制下の報道管制によって情報が極めて少ないなかで、現地紙をはじめとするソ連国内の各紙誌を原資料に、事故の全過程、深刻化する健康影響など事故の全貌を明らかにした労作。
目次
原子炉暴走
魔の明り
汚染地域
モスクワ第六病院
「幽霊」たちの除染作業
試される人びと
コマリンから来た女たち
英雄神話
水汚染とのたたかい
石棺建造
スケープゴート
傷ついた大地
ドニエプルよ永遠に
建設続行か中止か?
過大な原子力計画
避難民たちの冬
三〇キロ・ゾーンの内側で
ホイニキの住民集会
埋葬されたカメラ
刑事裁判
二年後の春
著者等紹介
松岡信夫[マツオカノブオ]
1932年ソウル生まれ。46年以後、広島県府中市で育つ。早稲田大学文学部露文科卒。通信社記者、東大工学部研究生を経て、1978年市民エネルギー研究所創立、同代表。その間アジア経済研究所研究委員、桐朋学園大学、東京大学等の講師(非常勤)を歴任。自主講座『公害原論』実行委員、日本消費者連盟運営委員、インド・ボパール事件を監視する会事務局長を務める。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おにぎり
1
フクシマ後に新装版として出版。ドキュメントなので当時の流れがよくわかる。ある面ではフクシマにおける日本政府の対応以上の素早さを見せるソ連政府が印象に残った。なかなか参考になるかも。2011/09/05
よつば
0
1986年4月25日 金曜日 保守点検の機会を利用して、 運転停止前に「惰性運転」試験を行う計画だった。 4月26日 午前一時 1時23分44秒 炉の出力が定格の100倍以上となった。 冷却効果が低下し、核燃料の過熱と破壊、 冷却材の沸騰が生じた。 パイプの破壊部分から蒸気が噴出、蒸気爆発が起こった。 爆発は原子炉建屋の一部を破壊、 核分裂生成物(死の灰)を外部にまき散らした。 さらに水蒸気と燃料被覆管の反応で水素が発生し、 二度目の爆発が起きた。 2020/02/09