内容説明
多くの科学者が疑問を投げかけている「核燃料サイクルシステム」が、すでに破綻しており、いかに危険で壮大なムダであるかを、詳細なデータと科学的根拠に基づいて分析し、このシステムを無理に動かそうとする政府の政策の転換を提言する。
目次
1 核燃料サイクルとはなにか
2 動けない六ヶ所再処理工場
3 高速増殖炉に未来なし
4 プルサーマルがもたらす無用の危険
5 誰もが損する核燃料サイクル
6 世界は脱プルトニウムに向かう
7 核燃料サイクル政策の転換を提言する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おる太
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3.11よりも以前に書かれたものなので、変に反原発・原発推進について言及してなくて新鮮だなぁーと思いながら読んだ。核燃料サイクルの限界や高速増殖炉、MOX燃料の危険性などなどけっこうわかったような。やっぱ原発関連だけでなく、どんな分野にもヤバイ状況になった時にこれはあかんでしょと言える独立機関は必要だよなぁ。2015/01/09
緑のたぬき
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原発でウランを核分裂させると、自然界に存在せず毒性が極めて高いプルトニウムが生成される。これを溶かしてプルトニウムを抽出しようというのが核燃料の再利用。 再処理を行うと単純に核燃料を廃棄するよりも高く、環境中にも原発の数十倍の汚染物質を放出し、誰も得をせず、計画そのものが破綻していることがこの書には書かれている。核弾頭製造用としてプルトニウムを保持することが目的なのだろうが、もっと効率的な方法があるのではないかと思えてしまう。2018/08/27