著者等紹介
中里介山[ナカザトカイザン]
明治18(1885)年、神奈川県西多摩郡羽村(現、東京都羽村市)生まれ。13歳で上京し、電話交換手、小学校教員となり、平民社周辺の社会主義運動に参加。その後、社会主義を離れ、明治39年に都新聞社(現在の東京新聞社)に入社する。明治42年に初の新聞連載小説を執筆し、未完の大作となる「大菩薩峠」は大正2(1913)年より連載を開始。都新聞での連載終了後は、東京郊外に居を構えて、大阪毎日新聞(東京日日新聞)、国民新聞、読売新聞、介山が出版する雑誌『隣人之友』などに書き継いだが、昭和19(1944)年に腸チフスにより逝去。享年59歳
伊東祐吏[イトウユウジ]
1974年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
18
初出の都新聞版による第2巻。末尾の解説によれば単行本化により49%がカットされたとのことで、かつて読んだ筑摩書房版との違いは、第1巻以上に甚だしい印象。カットされた部分もさることながら、悪旗本神尾主膳や剣術師島田虎之助の登場場面は、都新聞版の方が少ないのではないか。一方で、こちらでは「御雪太夫」が御松の姉的な存在として現れ、筑摩版でずっと読み進んだ者には先で重要な役割を果たす「お雪ちゃん」がなぜここに?と混同する。新選組との関係もこちらの方が詳しく描かれる分、机竜之介の人物造形とはそぐわない感が強い。2023/02/11
きょちょ
14
活劇の場面は、まるで紙芝居のよう。 興奮、そして次は?次は!という感じ。 1ページ2段組みで、左上には必ず挿絵があるのも効果的。 ニヒルな机龍之助は、目的を喪失してさらにそれが色濃くなる。 この物語の底辺には、人間の「浅はかさ」「罪深さ」が描かれていて、ところどころにいかにも「至言」といった文章がある。 縁あったものが離れ、また交わるのも面白い。 1日50里移動できる、忍者のような七兵衛が脇で活躍するのも面白い。 大衆小説の「祖」といわれているが、介山はそれを嫌い、自らは「大乗小説」といった。★★★★★⇒2016/02/08
あけの
4
新撰組の回♪ 龍之介がだんだん人間味が出てきてるような気がする2020/09/26
あきひと
2
京都に入った龍之介と兵馬、それにお松と七之助。龍之介は芹沢鴨に付き、兵馬は近藤勇らに付くが、当人同士には相手が見えないまま、物語は新選組、特に芹沢一党の悪行三昧やお松、七之助の動向と展開し、芹沢暗殺の結果、龍之介は都落ち、兵馬、七之助、お松の三人が龍之介を追う形となって第2巻が終る。 2冊読了して講談を読んでいるような文章にも慣れ、今とは異なる大正時代の漢字と読み(すべての漢字にルビが譜ってある)も楽しみながら次へ進もうと思う。2023/01/10
Panico
2
これ打ち切……まあ自分とこの記者が書く小説だし色々あるよね!新撰組との絡みでなんのかんのあったところで龍之介を取り巻く状況は一転、なにやら壮大なものに飲み込まれていく2014/05/15