内容説明
ミステリ史上最高の論客による本邦初の異色短編集。
著者等紹介
バウチャー,アントニー[バウチャー,アントニー][Boucher,Anthony]
本名ウィリアム・アントニー・パーカー・ホワイト。1911年カリフォルニア州生まれ。十五歳のとき、ホラー短編Ye Goode Olde Ghoste Storieが『ウィアード・テールズ』誌に掲載されデビュー。大学卒業後、評論家となり『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』など各紙誌で活躍。ミステリ界を代表する評論家となる。実作者としては長編七作と多くの短編を著した。また、編集者としても数々の業績を残している。68年没
白須清美[シラスキヨミ]
早稲田大学第一文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
66
「先駆者」は既読。決して善人とは言えない人々が出喰わす、邪術が混交したような怪談「噛む」と「書評家を殺せ」の不気味さよ。表題作はタイムマシンを作った科学者が屑すぎるのでオチにニヤリ。「悪魔の陥穽」のループ構造も怖い。だけど別々の話の名脇役でもある古代エジプトの王の名を戴く魔術師、大オジマンディアスと迷探偵ファーガス氏が共通して出る作品もあるのが面白い。その一つである「たぐいなき人狼」は波乱万丈な展開に待ち受けていたハッピーエンドに良かった、良かった(*^^*)2015/09/09
Panzer Leader
57
「GWだよ全員集合!奇妙な味海外読書会’21」作家・アンソロジスト・評論家・編集者・翻訳家と多彩な才能を持つアントニー・バウチャーの異色ダークファンタジー短編集。全てが面白いとは言えないが、迷探偵ファーガスや魔術師大オジマンディアスが登場する作品群はユーモア溢れる雰囲気で楽しく読めた。2021/05/05
くさてる
14
ちょっと不思議なSFやミステリ、ホラーの短編集。救いのないホラーもありますが、基本的にドタバタとユーモアがある作品が多く、読後感も良かったです。個人的には、大魔術師オジマンディアスの掛け値なしの本物の魔法によって翻弄される人々の顛末を描いた「悪魔の陥穽」「たぐいなき人狼」のニ作がとくにお気に入り。2015/10/26
つるら@turulaJB
5
バウチャーは多分初めて読むけど、粒ぞろいの作品集。SFとか悪魔物を読んでいると何故かアシモフが思い出される。 1955年発行の短編集に”たぐいなき人狼”を加えた作品集だが、ほとんど時代を感じさせない。一作だけ、各種アナログレコードプレイヤーが重要ギミックになっているものがあるんだけど、それは置いとく。”たぐいなき人狼” は後から追加されただけあって傑作。人狼テーマはあまり読んでないので他と比較できないのが残念。2018/09/08
Ai
3
ちっちゃい悪魔たちも素敵だが、魔術師・オジマンディアスが登場する作品が好みでした。自分のことを魔術師というおじさんに、2杯目を飲ませてはいけない…。2016/07/25