内容説明
王子さまがヒツジを一匹欲しかったのはなぜか?バオバブの木はそんなに怖いのか?王子さまは星を出るときなぜ渡り鳥を使ったのか?生と死を司る番人ヘビの謎とは?幻の井戸の水はなぜ心によいのか?聖書に及ぶ流布、一級の文学作品と評する海外の数多くの『星の王子さま』研究評論を基に、論創社版完全新訳『星の王子さま』の謎を解く。
著者等紹介
三野博司[ミノヒロシ]
1949年、京都生まれ。京都大学卒。クレルモン=フェラン大学博士課程修了。奈良女子大学教授
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感想・レビュー
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スイ
6
新鮮さは感じなかったが、「星の王子さま」を読んだ後に自分の考えを整理する助けにするのにいいかなと思う。2017/06/29
hikarunoir
5
本来カミュの研究者が解説を手掛けただけに引用量が半端でない。確かに原典も子供向きと思わないが、却って難解さを際立たせ子供も遠ざけそうな勢い。2021/02/01
mustang
3
「星の王子さま」に対する理解が深まった。文献データも豊富。よく研究されている。2014/11/24
虎哲
2
3月末で閉館する星の王子さまミュージアムを訪れた際にお土産コーナーで購入し、すぐさま読破した。『星の王子さま』及びそれに関する国内外の豊富な研究を引用し、各章の新たな解釈の可能性を提示する刺激的な内容である。星の王子さまミュージアムの展示においても『星の王子さま』が単なる児童文学ではなく、風刺や祖国への想いなどが込められた複雑さを持つ作品であることが理解できたが、この本によってその理解を確かなものとできた。特に薔薇が何を表しているかや、第二十一章のキツネと王子さまが師弟関係であるという解釈は興味深かった。2023/03/24
mimm
2
ただ美しいだけでなく、その中にこめられたメッセージ的なものをナビゲートしてくれたような一冊。この訳者さんの訳本を読んでみたくなりました。でもどんなに各方面から分析しても、本当のことは作者しか分からないよね。2011/05/28