内容説明
コズメティック(化粧品)の語源はコスモス(宇宙)に由来する。メーキャップとは小宇宙(人体)の神秘をさぐり、完璧な理想へむけてそれを秩序化する作業なのだ。資生堂のイメージ・クリエーターをつとめるルタンスの作品に、太古の神話的記憶にもとづく「元型」を見い出し、デジタル・ナルシスをとりまく欲望の迷宮からの脱出口を探る。
目次
第1章 鏡の向こうの四世界
第2章 天界浮遊
第3章 地界潜入
第4章 界人界逍遥
第5章 生命界転生
第6章 デジタル・ナルシスのゆくえ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朝吹龍一朗
2
資生堂世界進出の立役者の一人。こんなに広範に作品を見たのは恥ずかしながら初めて。画集を見ているような気持ちになるが、その割りに解説(というか文章そのもの)が陳腐でくどい。本としては駄作だが必見の価値あり。2010/01/30
seichan
1
80年代に資生堂のイメージ・クリエイターを務めたセルジュ・リュタンスの作品をモチーフに、うだうだと人文学的なモノローグを絡めた夢想録。 セルジュ・リュタンス(ものによってはルタンス表記)の作品は、アールデコ風で不可思議な味わい。当時とっても好きでした。2015/09/22
しらたま
0
セルジュ・ルタンスの作品を錬金術などと絡めて解説していているのだが、ルタンス本人にそういう意識があって、作品作りをしたのかは疑問。本人が付けた作品タイトルはないのだろうか。作者が勝手にタイトルを付けて、勝手に語ったらいかんのではないかと思う。2020/09/17