アラブが見た十字軍

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アラブが見た十字軍

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  • サイズ B6判/ページ数 424,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784845702183
  • NDC分類 228

内容説明

「西洋版十字軍史」に対し、アラブ人がアラブ側史料を基に描く、画期的な初の反十字軍史談。本書に「十字軍」の語は殆んど登場しない。あるのは「フランク」という「侵略者」の名だけだ。

目次

序章 千年の対立ここに始まる
1 侵略(フランク来たる;鎧師の裏切り;マアッラの食人種)
2 占領(トリポリの2千日;ターバンを巻いた抵抗)
3 反撃(隠謀渦巻くダマスカス;蛮族のなかの一貴紳)
4 勝利(聖王ヌールッディーン;ナイルめざして;サラディンの涙)
5 猶予(両雄、相見えず;「公正」と「完全」の時代)
6 追放(モンゴルのむち;神よ、2度と彼らに足を踏み入れざらしめんことを)
終章 アラブのコンプレクス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イノ

16
十字軍といえばキリスト教徒の聖地奪還だが逆から見たら ただの侵略でしかない。 語り口は読みやすいが200年にも渡る記録ですぐに人と場所が把握できなくなった。 それでも知略で退けたり、イスラムも一枚岩ではなかったり 壮大な物語のようで読み応えはある。終盤はモンゴル帝国にも進軍される。    読み終わって巻末に地図が付いてるのに気付いた。    巻末で結果的にフランクはイスラムのあらゆる文化、芸術 を吸収し大きく発展したし、2chでは十字軍をお笑い集団とみなされていていろいろ複雑です。2018/03/09

moonanddai

7
やはり歴史はいろいろな立場から見なければならない。(いかなる理由であるかは全く関係なく、つまり宗教戦争でも何でもなく)攻められ征服され撃退したという「事実」だけの2世紀にわたる歴史。文明的には当時「西」よりははるかに進んでいた(と自負する)アラブも当時決して一枚岩ではなく、内紛・反目があったため易々として敗退していったことが分かります。ただ、極めて「野蛮・野卑」ではあるが「社会」というものを持っていた「西」を、撃退後も受け入れることがなかったということが、中東の「今」につながっているということでしょう。2018/10/02

おとや

3
アラブおよびフランク(西洋)の側の記録をもとに、侵略された側としてのアラブから見た十字軍時代の通史。西洋では当然のことながら、日本でも十字軍は西洋側から見た記述が大半を占めているなかで、この本の存在は貴重。少し古い訳書だが、もともとの語り口が面白く、また訳文も非常に読みやすい。恥ずかしながら、むしろ西洋から見たここまで細かな十字軍の通史を読んだことがないので、そのうちそちら側からの記録も読んでみたい。2015/02/05

aoto

1
山の老人伝説の情報を集めたくて閲覧。イスラム側から見る本が存在したのがまず驚き。シーア派復権を目論むハサンのイスラム内争いの構図が見えるようだった。十字軍とタイトルにあるが、直接十字軍として描かれている箇所はほぼほぼない。フランクという記述が相次ぐ。その他はダマスカスやシリア等の内部争いの歴史がよく描かれてるように思う。知らない人ばかり。本書は多くの参考文献の引用があり、その俯瞰した描き方には信用が勝る。西洋側の十字軍にまつわる話とは全然違う印象を持つ。2022/03/27

sasha

1
アラブ側の資料を駆使して、アラブ側の視点で書かれた十字軍史。溢れるような人名をクリア出来れば歴史小説として面白く読めるんだが…。もう中世ヨーロッパ人のなんと野蛮なことか。でも、ヨーロッパもアラブも一枚岩じゃなかったんだよね。これを読んでからヨーロッパ視点で書かれた十字軍物を読みなおすのもいいかもしれない。2013/06/18

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