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内容説明
いま話題の翻訳者が、村上春樹から世界文学まで語りまくる!
目次
01 いしいしんじ「越境する作家たち」
02 岸本佐知子「翻訳家ができるまで」
03 堀江敏幸「文芸で越境する」
04 内田樹、沼野充義「村上春樹の“決断”」
05 芳川泰久「『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をめぐって」
06 柴田元幸「アメリカ文学の境界線」
07 藤井光「マイノリティ、メタフィクション、現代小説のリアル」
08 星野智幸「世界とマイノリティ」
09 小野正嗣「わたしたちが大学生だったころ」
著者等紹介
都甲幸治[トコウコウジ]
1969年福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
75
著者の軽快な語り口が好き。翻訳者はもっと敬意を持って語られるべきだと思う。外国語と同じように日本語にも精妙でなければならないから。よくある外国製品の取説のような直訳で文芸作品を読むのは御免被りたい。翻訳小説はある意味もうひとつのオリジナルという説にも同意。エゴをとれだけ捨てられるかに腐心されてるとは思うけど、やはりセンスや個性が文章に出てるもん。翻訳という仕事においてのその是非は置いといて、わたしにとってはそれも楽しみのひとつ。大好きな翻訳者さんいっぱいいるからね。2022/06/17
yumiko
44
魅力的な名前が並んでいたのと、翻訳をされる方の頭の中が知りたくて読んでみた。世界文学?現代小説?普段考えることのない難しい話しも多いけれど、「一人でも多くの読者が小説への扉を開いてくれたらいいな」という愛がビシビシ伝わってくる。印象に残っているのは、尊敬する師、柴田元幸さんとの対談。人や情報がものすごい勢いで動いていく現代。その中での文学の在り方を考える都甲さんの試みが叶うことを願う。三分の一が村上春樹論だったのは予想外。ハルキストでない身にはちょっとしんどかったな。2015/12/31
おさむ
34
最近オープンした渋谷モディでイチオシされていたサイン本。アメリカ文学と翻訳業界のいまを語る対談集。村上春樹の業界における影響力の大きさに驚くと共に、グローバルなネット社会になった現代、其々の国の文学の有りようも変わっていることを再認識しました。米国の知らない作家さんの話も豊富で、読書欲をそそられました。2015/12/03
りつこ
33
面白かった。都甲さんは何度かトークショーを見に行ったこともあるけど、とても深く深く考察をする熱い人という印象があったけど、これを読んでもそれは伝わってくる。村上春樹の考察がここまでされていることにも驚いた。もっと翻訳寄りの話が多いと思っていたので。そして自分は全然村上作品を読みこめていなかったのだなぁとも…。個人的には岸本さんや柴田さんの選書に対する話が頷けたし、もっともっと自分で選書して翻訳できる翻訳家が増えるといいなぁと思う。2019/12/02
Y
32
「多崎つくる」の考察が言われてみればそうだなぁという、個人的にすごく腑に落ちるものだったのでもう一度再読してみたくなった。豪華な対談相手の中には著作も読む、よく知った人もいれば、名前もはじめて知ったというような方もいたけれど、どの方も対談内容がすごく面白かったので著作も読んでみなくてはと思った。友だちが少なくてさみしさを感じるというくくりでのマイノリティ同士が水平化したこの世界で、国籍を超えて作品を通じてつながりあうという話はなんだかとってもわくわくした。都甲さんの人柄をもっと好きになってしまった。2015/11/17