内容説明
構造改革型国家の転換を!3.11後の日本の進むべき道を示す待望の書。
目次
はじめに―社会保障憲章二〇一一・社会保障基本法二〇一一の提案
第1部 今なぜ、社会保障憲章、社会保障基本法が必要か(福祉国家型対抗構想が、いまなぜ必要か;社会保障憲章、社会保障基本法の位置と役割 ほか)
第2部 社会保障憲章二〇一一(社会保障への期待と需要の増大;日本の社会保障の岐路 ほか)
第3部 社会保障基本法二〇一一と解説(社会保障基本法二〇一一;社会保障基本法二〇一一の解説)
おわりに―福祉国家と基本法研究会について
著者等紹介
井上英夫[イノウエヒデオ]
金沢大学教授。全国老人福祉問題研究会会長、生存権裁判を支援する全国連絡会会長。専門は社会保障法、福祉政策論
後藤道夫[ゴトウミチオ]
都留文科大学教授。専門は社会哲学、現代社会論
渡辺治[ワタナベオサム]
一橋大学名誉教授。専門は政治学、日本政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
5
この本は、研究者や運動家が議論して、今日における社会保障基本法と社会保障憲章を提言し、解説したものです。憲法25条の生存権保障を土台に据えながら、権利・人権としての社会保障を構築していくために、3・11以降の日本の進むべき道を示したものになっています。政府や多くの社会保障議論が、いわゆる財源論から出発し、そこから「持続可能」なものという視点でしかないのに対して、この本は人間の尊厳や生存権保障を最優先にする立場から、どのような憲章と基本法が求められているのかを論じられています。とても重要な本だと思いました。2014/01/26
Takao
2
2011年10月5日発行(2012年6月25日、第4刷)。民主党政権が誕生した2009年頃からシンポジウムを重ね、紡ぎ出された提言。発行間際に3・11の震災が発生し、内容も修正が加えられたようだ。「新福祉国家構想」をずっと追ってきたが、本書の存在は最近まで知らなかった。もっとも印象深かったのは「多くのヨーロッパ諸国は、日本よりもはるかに大きな社会保障を持ちながら、経済成長率は日本よりも高く、財政赤字も少ない」と言う90ページの記述。私たちは「財政赤字」のトラウマに囚われているのではないか、と感じた。2020/01/18
かじやん0514
2
一気に読めた。理論闘争に最適。2011/10/07