内容説明
日本は勝ったのか?グローバル化のなか労使一体で“トヨタウェイ”を移植したビッグスリーの結末は…。
目次
第1章 一九八〇年代以降の経営努力―ただ手をこまねいていたわけではない(日本の強みを探る;キャッチアップ努力のはじまり;労働組合のアプローチ;生産現場で何が起こったのか?―労働組合の経営協力のプロセス;労働組合による経営コミットメントの効果と限界)
第2章 揺らぐ社会保障基盤―安定したミドルクラスはどこへ(社会保障基盤を作り上げてきた労働組合;市場競争激化の進展;経済・社会政策の変化;労働組合―二つの方向性)
第3章 ニューディール型を壊したもの(ニューディール型労使関係システムの成立と特徴;米国自動車産業の労使関係システム;フォード・システムの限界;ヘゲモニーの移行と矛盾;労使関係と従業員関係)
第4章 労使関係はどこに向かうのか(労使関係とは何か;今後の課題)
著者等紹介
山崎憲[ヤマザキケン]
1967年生まれ。独立行政法人労働政策研究・研修機構国際研究部副主任調査員(アメリカ担当)。博士(経営学、明治大学)。東京学芸大学国際文化教育課程欧米研究専攻を卒業後、日本労働研究機構に入職。外資系企業の人事労務管理、海外派遣者、日本企業の国際化に関する調査等を担当したのち、2003年から2006年まで在デトロイト日本国総領事館専門調査員として米国自動車産業の動向を労使関係を中心に調査する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たこ焼き
6
分業による業務を明確化する文化は雇用の流動性、新陳代謝を促進するが、スクラップアンドビルドで労働者の学び/忠誠心を育てず、継続的な改善には向かない。一方業務を曖昧にしチームワークを重視する文化は自業務にとらわれない改善やすり合わせを可能にし良品を生み出すが、効率的な雇用や劇的な変更を阻害し現状継続を好むため、市場の劇的な変化に素早く適応できない。アメリカの雇用環境は分業式のシステムに最適化されていたが、日本に品質競争力で追いつくため少しずつ曖昧なチームワークの仕組みを導入し品質を向上させた。2022/08/16