内容説明
黙っていたら、生きられない。声を上げなきゃ、変えられない。日雇い派遣の過酷な現場で働く若者たちの、怒涛の合法的反撃。
目次
日雇い派遣労働者を襲う現実(ネットカフェから通勤する日々―長谷川幸司さんのケース;事故でも救急車は呼べない―川崎司さんのケース;ランナーズハイ状態で長時間労働―藤井哲治さんのケース)
拡大する日雇い派遣業界(日雇い派遣業界の実態;内部から見た日雇い派遣―フルキャスト業務担当者の証言)
日雇い派遣という仕事―現場からの報告(イベント設備撤去作業;改修現場ガラだし作業;球場内作業;化粧品の容器詰め込み作業)
グッドウィル、フルキャストと闘う(フルキャストとの闘い;グッドウィルとの攻防)
ワーキングプアの大逆襲
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業、バーミンガム大学国際学MA。日本工業新聞記者、『プレジデント』編集部、『週刊文春』記者などを経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シン
12
実際日雇い派遣を学生の頃からかなりやっていた。 おそらく100種くらいの仕事をしたが人生経験として非常に役にたっている。 が、色々と思うことがあるのも確か。 日本の雇用制度はそろそろ見直さねばならない時期に来ているのは確か。2007/10/19
P
3
低賃金・安全対策のない不当労働・足元を見たピンはね・解雇後のセイフティーネットのない不安定雇用、結局これらは、労働者を人間じゃなく「材」とみなす派遣システムの問題なんだろう。仕事ってお金だけじゃなくて、人間としての存在がかかっている。誰でも(機械でも)取替え可能な仕事をし続けてたら生きる気力がなくなってしまう。そんな1日労働派遣の実態を追及する本。2010/06/28
なつきネコ
2
むかし、フルキャストにはいったことがあるから、内容な納得いった。たしかに夜中の建設現場に行かされた事があったので、その時に高い足場に登らされた事があったのを思い出しました。やはり、資本主義の問題である。格差をどうするかと、どう半永久的に金を回すかが問題。一度財政危機があると、持っている者が勝ちのこってしまうために、どうしても貯めようとしてしまい金が回らない。その貯めるために日雇い派遣はちょうど良いシステムだったわけだ。だが、社会はいる者全てを食べさせなければいけない。それができないなら会社などいらない。2016/03/08
小鳥遊小鳥
2
法律が改正され、「日雇い派遣」がなくなった後、スポットの「アルバイト」という形でフルキャストで働いていた時期があります。交通費は出なくて当たり前だったり纏めて「スポットさん」としか呼ばれなかったり、倉庫内作業は寒かったりと、いろいろ大変でした。派遣がアルバイトになって、良くなった部分もあるのかもしれないけれど、良い働き方とはとてもいえないのは確かだと思います。2014/11/20
Riopapa
2
ちょっと前に、よくテレビでやってたコマーシャル。爽やかだったけど、これが実態だったとは。小泉改革の負の部分。2012/12/10