内容説明
なんのために生まれてきたのか。理不尽な社会をどうやり過ごせばいいのか。その答えが、漢詩のなかにあった！
目次
第１章 莫莫莫―陸游、挫折のなかのユートピア（いま、この瞬間を生きる；行間に七十年の時 ほか）
第２章 是無心―漱石が求めた東洋的理想郷（文明開化で失われたもの；落語と漢詩を愛す ほか）
第３章 竟何之―杜甫のパズルを解く（五言絶句の奇跡；杜甫を絶句させた天才 ほか）
第４章 値千金―すべてを楽しむ蘇東坡の境地（左遷を楽しむ；文章の名門一家 ほか）
第５章 間臥作詩―河上肇の桃源郷（社会というディストピア；共産主義という理想 ほか）
著者等紹介
山口謠司［ヤマグチヨウジ］
大東文化大学文学部准教授。博士（中国学）。１９６３年、長崎県に生まれる。大東文化大学文学部を卒業後、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学んだのち、ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員を経て、帰国。イラストレーターとして、自著の他、林望、大岡玲などの著書の挿画、装画なども手がける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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魚京童！
8
この組式いらいらする。2015/08/07
読書国の仮住まい
2
昔は良かったと人は言う。 本当にそうであったなら、世の中は時代を経るごとにどんどん悪くなっている。 希望のない世界ディストピアである現実をユートピアに変えて笑うためには、豊かな精神が必要である。 漢詩にはそうしたものを育ててくれる。 『莫、莫、莫』陸游。 どうすればいいのか、ただ今を生きる。 『是無心』漱石。 そこにはただ無心のみ、空中で一人白頭を吟ずる。 『竟何之』杜甫。 どこに行けばよいのか、想いは募る。 『値千金』蘇東坡。 楽しむを愉しむまで深化、笑いというゆとり。 『間臥作詩』河上肇。 金丹の術。2021/03/22
