文藝時評大系 〈明治篇 第14巻(明治44年)〉

文藝時評大系 〈明治篇 第14巻(明治44年)〉

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  • サイズ A5判/ページ数 597p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784843316931
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3391

出版社内容情報

わが国独自の文学批評のスタイル、「文藝時評」の全容を初めて集大成

【収録内容】
一月の小説〔文藝欄〕(生田長江)『東京朝日新聞』1月19日/旧臘十二月の小説(鈴木秋風)『学生文藝』1月/新年文壇の一瞥(前田晁)『文章世界』1月/三人偶語〔国民文学欄〕(中村星湖)『国民新聞』2月26日/最近文藝概観[小説・戯曲・評論]『帝国文学』2月/新年の重なる小説(前田晁)『太陽』2月/一月の重なる雑誌〔研究〕(王春嶺)『新潮』2月/新年の文壇〔小評論〕(鳥瞰生)『新小説』2月/「犠牲」を読みて(大貫晶川)『新思潮』2月/島崎藤村先生の「犠牲」を見て(岡本かの子)『新思潮』2月/三月の雑誌(生田蝶介)『文章世界』4月/三月の評論(安倍能成)『ホトトギス』4月/「お目出度人」を読みて(有島武郎)『白樺』4月/三月の雑誌『三田文学』4月/四月の小説〔月旦〕(島村苳三)『新小説』5月/漫読偶語(高踏生)『読売新聞』6月11日/小説と戯曲(生田蝶介)『白樺』6月/五月の小説と脚本『三田文学』6月/小説と戯曲(生田蝶介)『白樺』7月/八月の主なる作と論『早稲田文学』9月/八月の小説と劇『三田文学』9月/十月号の雑誌(高浜虚子)『ホトトギス』11月/谷崎潤一郎氏の作品(永井荷風)『三田文学』11月/最近文藝概観[小説・戯曲]『帝国文学』12月/うめ草(絵馬四郎)『春夏秋冬』12月/十一月の主なる作と論『早稲田文学』12月/雑誌月評(白石実三)『文章世界』12月/四十四年の文壇〔文藝時評〕(金子筑水)『太陽』12月/四十四年の文壇(弾正台)『新潮』12月/十一月の小説〔月旦〕(安倍能成)『新小説』12月/十一月の小説と戯曲『三田文学』12月/ほか

【本書の特色】
●同時代の小説・文藝評論・戯曲への現場批評である「文藝時評」を初めて集大成する。収録文は明治十年代末より昭和四十五年まで。「文藝時評」は、その時の「文壇」と密接な関係にある。文壇棲息者の生きいきとした注視と活動があってこそ、初めて同時代の現場批評が成立する。本大系には「文壇」の成立期から「文壇」と「文壇ジャーナリズム」が濃密な関係をもちえた昭和四十五(一九七〇)年までの「時評」を収める。諸機関の協力をいただき、できうるかぎり新聞、雑誌の初出原本を復刻収録する。

●「文藝時評」は、主として小説・文藝評論・戯曲を批評の対象としている。別に詩、短歌、俳句などを対象とした時評があるが、「特殊なスタイル」のものを除き割愛する。「特殊なスタイル」とは「最近の文学界」などの総題の下に「詩」を含む全ジャンルを評論したものを指す。これらは原則として全文収録する。

●明治篇、大正篇、昭和篇、全巻にわたって詳細な索引を付す。従来の作家・作品名索引にとどまらず、項目(たとえば「大逆事件」「関東大震災」、文学論争など)からも作品をたどることのできるよう工夫した。