文藝時評大系 〈明治篇 第10巻(明治40年)〉

文藝時評大系 〈明治篇 第10巻(明治40年)〉

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  • サイズ A5判/ページ数 377p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784843316894
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3391

出版社内容情報

わが国独自の文学批評のスタイル、「文藝時評」の全容を初めて集大成

【収録内容】
一月の小説〔文藝時潮〕(忘憂子)『読売新聞』1月27日/昨年の小説界〔彙報〕『趣味』1月/短篇小説の価値〔文藝時観〕(野逸道人)『中央公論』1月/時文(長江生)『藝苑』1月/漱石と二葉亭〔月旦〕(正宗白鳥)『文章世界』1月/新年の小説界〔彙報〕『趣味』2月/小説月評〔本棚〕(銀漢子)『早稲田文学』2月/一月の小説界(茶青居士)『新声』2月/文壇時言〔文藝時観〕(酔美生・有頂天)『中央公論』2月/新年の雑誌『藝苑』2月/前月文藝史〔明治四十年一月〕新春の小説壇〔評論〕(社中同人)『新潮』2月/二月の文壇(秀峰病客)『新声』3月/文藝時評〔本棚〕(片上天弦)『早稲田文学』4月/思想と形式〔文藝時観〕(磯のや)『中央公論』6月/六月の小説界〔彙報〕(周芳)『趣味』7月/近時の創作界(石秋生)『新声』7月/文学界雑感(生)『太陽』8月/自然派と技巧派〔時文〕(後藤宙外)『新小説』8月/新刊雑誌(上)〔七月の小説界〕〔新刊〕(蛙鳴)『帝国文学』8月/文藝月評(生)『文章世界』8月/新聞小説家〔月旦〕(汝南子)『文章世界』8月/前月文藝史所謂自然派の作品〔詩壇〕(社中同人)『新潮』8月/本月の雑誌文学(杳茫子)『東京日日新聞』9月16日/今日の小説(中里介山)『新声』10月/田山花袋の「蒲団」〔同心語〕『明星』10月/十月の文壇〔文藝時観〕(白帆生)『中央公論』11月/小説短評〔十月〕(野上臼川)『ホトトギス』11月/虞美人草を読みて(秋骨)『東京朝日新聞』12月17日/十一月の小説界〔彙報〕(雲外生)『趣味』12月/ほか

【本書の特色】
●同時代の小説・文藝評論・戯曲への現場批評である「文藝時評」を初めて集大成する。収録文は明治十年代末より昭和四十五年まで。「文藝時評」は、その時の「文壇」と密接な関係にある。文壇棲息者の生きいきとした注視と活動があってこそ、初めて同時代の現場批評が成立する。本大系には「文壇」の成立期から「文壇」と「文壇ジャーナリズム」が濃密な関係をもちえた昭和四十五(一九七〇)年までの「時評」を収める。諸機関の協力をいただき、できうるかぎり新聞、雑誌の初出原本を復刻収録する。

●「文藝時評」は、主として小説・文藝評論・戯曲を批評の対象としている。別に詩、短歌、俳句などを対象とした時評があるが、「特殊なスタイル」のものを除き割愛する。「特殊なスタイル」とは「最近の文学界」などの総題の下に「詩」を含む全ジャンルを評論したものを指す。これらは原則として全文収録する。

●明治篇、大正篇、昭和篇、全巻にわたって詳細な索引を付す。従来の作家・作品名索引にとどまらず、項目(たとえば「大逆事件」「関東大震災」、文学論争など)からも作品をたどることのできるよう工夫した。