内容説明
第1章は、婦人保護施設の歴史、現状さらに課題について、いずみ寮の実態を中心に考察するとともに、この施設利用者からのメッセージを掲載している。第2章は、婦人保護施設を利用している女性たちの事例を取りあげ、現代女性の抱える問題を考察している。第3章は、第2章で取りあげられた事例の中から各々の生活史を分析の対象にして児童虐待やDV等が各々なぜ生じたのか、その要因を社会学の立場から解き明かそうとする試みである。第4章では、DVについて、アメリカの調査・研究の推移を中心に取りあげている。第5章は、まず、DVと児童虐待をめぐる国際的な動きを分析の対象とするとともに、わが国において「DV防止法」や「児童虐待防止法」が取りあげられるまでの国内の動向を考察している。次に、DVと児童虐待の定義の国内外の違い等を概観し、かつ「DV防止法」と「児童虐待防止法」について特に発見、通報、相談、指導、一時保護、保護命令と支援といった項目について概説している。最後に、児童虐待とDVの発生要因とその支援のあり方を全体として検討している。
目次
第1章 婦人保護施設の現状と課題(婦人保護施設の歴史と現状;利用者からのメッセージ)
第2章 児童虐待、DV等からの保護と対応、その事例研究(妊娠・出産;児童虐待 ほか)
第3章 児童虐待、DV等の発生要因(人はどのようにして自己を形成するのか;事例からみる問題発生の要因)
第4章 アメリカにおけるDV防止研究の推移と現状(DV防止に関する調査、研究の推移と政策;DV防止研究の近年の動向 ほか)
第5章 DVと児童虐待への対応(DV・児童虐待をめぐる国際的な動き;DV・児童虐待をめぐる国内の動き ほか)
著者等紹介
夏刈康男[ナツカリヤスオ]
日本大学文理学部教授、社会学博士
宮本和彦[ミヤモトカズヒコ]
文京学院大学人間学部教授
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