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MF文庫
幽談

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784840145008
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

妻と離別した私は記憶を辿りながら、七年前と同じように汽船に乗って浜辺を歩き、侘しい岬に建つ一軒宿を訪れる。以前、私は妻とともに庭の見える部屋に泊った。そして、月光が満ちた旅館の庭で艶かしい女の手首を拾ったのだ。「手首を拾う」怪談よりも怪しく、奇談よりも奇妙な幽き物語たち。端正な美しさと不気味さが入り交じった京極小説の別天地がここにある。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年に『姑獲鳥の夏』でデビュー。『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で山本周五郎賞、『後巷説百物語』で直木賞、『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

89
2012/2/24 Amazonより届く。 2017/11/12〜11/13 京極さんの奇妙な味の短編集。「手首を拾う」、「ともだち」、「下の人」、「成人」、「逃げよう」、「十万年」、「知らないこと」、「こわいもの」の8編。どれも良いが、巻頭の「手首を拾う」がマイベストか。2017/11/13

えみ

64
あぁやっぱり厭だ。気味の悪い何かが纏わりついて離れない。厭だ。厭なのに、やっぱり好きだ。この溢れる不気味さ、得体の知れない何かが迫りくる気持ち悪さ。常識など通用しない狂ったモノが溢れ出すこの世界観、痺れる。答えの出ない歯がゆさが上手く取り込まれて奇妙な美が浮かび上がってくる。妖しい8篇の物語に誘い込まれる短編集。お気に入りは「下の人」。不覚にも笑ってしまったが、ハタと気付けば受け入れているその人が怖い。他の作品もまた然り。一度受け入れたうえでそこから発生する更なる怖さ。明確にせず暗示させる…だから不気味。2021/06/07

カナン

48
再読。最後は必ず綺麗さっぱりと憑き物を落としてくれる「百鬼夜行」とは異なり、起承転結やオチを望む人にはさぞかし納得出来ないだろう八篇。しかしその据わりが悪い読後感がこの本の根幹とも云える。主人公も世界観も初めは特別浮世離れしていないのに、ふいにぽつりと洋墨の染みのように落ちる奇怪。頁を捲るごとにそれはじわじわと拡がって、ほんの少しばかり「日常」の枠が外れて「非日常」になる。浮世から少し足が離れ、自分を取り囲む当たり前な「現実」が刹那、噓臭い「非現実」になる。その心許無い気持ちをこれでもかと堪能出来る一冊。2017/06/09

Bugsy Malone

46
京極さんでなければ味わえない、どの話もスッキリとしない、「幽談」という絶妙なタイトルの付いた、不気味で不思議な8遍。只々、語り口の妙に、その世界にのめり込んでいきました。2015/08/08

papako

40
どれも不思議な短編集。『不思議』とひとくくりにできない文章。まるで、水墨画の中を歩いているような気分でした。そして、自分も、この話の中のような不思議な思考に流されたことがあるような、そんな気分にさせられました。2014/02/21

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