内容説明
きれいでやさしい園子に一目で恋に落ち、結婚した「僕」。彼女にずっと隠し続けている僕の仕事は、ダッチワイフ職人。平穏に過ぎていく日常のなか、僕と園子はセックスレスになっていった。それでも何の問題もないはずだったが…やがて園子の「秘密」が明らかになる。コミカルとシリアスが交錯し、愛と命とダッチワイフを描き出す驚異のラブストーリー。『百万円と苦虫女』監督の初オリジナル小説。
著者等紹介
タナダユキ[タナダユキ]
1975年、福岡県生まれ。2001年、初監督映画『モル』で、ぴあフィルムフェスティバルのグランプリを受賞。04年、フォークシンガー高田渡のドキュメンタリー『タカダワタル的』を監督、ロングランとなり話題を呼ぶ。08年に公開された監督作『百万円と苦虫女』を自ら小説化したほか、脚本を執筆した映画『さくらん』の小説版も刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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YM
58
お気に入りさんが、読んで良かったなぁって心から言ってる気がしたから手に取りました。タナダユキさんはふがいない僕は空を見たとか、監督された映画はどれも好きだったけど、小説書いてるのは知らなかったなあ。本書はラブドール職人とその奥さんの話。お気に入りさんとも装丁デザインをアレみたいだねって笑ってたんだけど、読んでみるとすごく意味があって、今あらためて見ると泣きそうになる。2人の男女がすれ違って、もがいて、確かめ合って自分たちなりの夫婦のカタチを探していく、何とも切なく儚い恋の物語。ほんっとに読んで良かったぁ。2014/12/05
七色一味
32
読破。『腹上死』から始まる、オトナの、『愛』の物語。なかなかにオススメ。2020/03/08
assam2005
24
高橋一生さんと蒼井優さん出演の映画、未鑑賞のまま、こちらを手に取る。お二人の顔をイメージしながら読み続け、あっという間に読了。よくもまぁこんなに身勝手な男の側で、謙虚に「妻」として演じ続けられるなぁ。愛した方が負けなのか、数年で蓄積された情が超越してしまうのか。高橋一生さんと蒼井優さんというイメージの定着のおかげで、嫌悪感はあまり感じられないのがブラボー。ドロドロなのにキレイという、妙なギャップに不思議な感覚を覚えました。「自分がやってることは相手もやってると思え」。←何を当たり前のことを。2020/02/26
ゆき
24
映画化ということで手に取りました。衝撃的な始まり方に読む手を止めることができず一気読みでした。2020/02/15
まど
17
この作家さんは女性なんだろうか? 女性と思って読み始めたけれど、男性が書いたような印象の小説。妻の気持ちがあっさり描かれていて物足りなかった。ダッチワイフの世界ってすごいんですね。蒼井優さんがこの小説を推薦したことに驚きました(笑 なんかかっこいいわ。2010/10/18