内容説明
青猫島が雨を知らない乾いた砂漠の島だった時代に、ブチ猫雨床丸が水の匂いのする場所を発見した。しかし砂の奥底から掘り出されたものは、水の匂いのする化石化した船底板だけであった。がっかりして天を仰いだ彼の額に雨がポツッ。以来数百年、雨は休みなく降り続いている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
94
生き物が死んだ後に帰る場所、魂が住む場所が0宇宙。大宇宙と0宇宙のつなぎ目のどこかでアメーバのように膨張している青猫島コスモス。住民の多くは青い目をした猫で、少しはヒトもいるようだ。酒を飲んだり歌ったり、ブギを踏んだりしながら気楽に生きている。命を焼き尽くした星の墓場となっている羊水の海。そこに青く美しい星が帰ってきた。遠い昔の記憶に残る懐かしい風景に出会った。人をくったようなくわえタバコの猫の表紙。宮沢賢治をポップにしたような幻想的な話だった。2006年10月初版。2015/10/25
り こ む ん
17
青猫島の探険記とゆうか…自らの起源を探す、ちょっとした旅の絵本。宮沢賢治作品のような美しい表現は無いけれど、不思議な世界観は、ほんのりにているかも?個人的に世界観だった2013/10/25
timeturner
6
マリファナでもやってトリップしている人のたわ言めいた文章はいまいちなんだかわからないけど、この絵を見ているだけで私はトリップできる。2021/03/04
郷里
2
初期のますむら氏が描く猫は人に媚びない猫らしさがあって良い。爛々と見開かれた目が少しブキミで、そのブキミさが猫なのだ。大宇宙へと至る透葉孔のある島で、猫と人は団子を食べ、トランプでイカサマをし、魂の郷里へと帰る。どこまでもひたすらにノスタルジック。「あの星がいい夢を見て眠れるようにと 星見酒」。2019/01/24
絵具巻
1
文京区立真砂図書館で借りました。2015/02/26