内容説明
スージィこと内野智佳は、某国立大学工学部化学工学科の秘書。彼女の勤める大学周辺で暴行傷害事件が多発する。智佳の周辺でも不気味な出来事が続き、友人のルナも被害に遭ってしまうが…。大学の工学部を舞台に、それぞれに秘密を抱えた6人の視点で連続殺人事件を追う、ちょっとフーガな新感覚ミステリィ。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。某国立大学工学部助教授職の傍ら、96年『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。受賞作をはじめとする「犀川・萌絵シリーズ」で一躍人気作家に
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チアモン
60
登場人物6人のそれぞれの視点から描かれたミステリー。挿絵も可愛く読みやすかった。ところどころ詩が入っていたが、ちょっと私には理解ができない哲学的な部分があったけれど、今回も森ワールドを堪能させてもらいました。犯人には、かなり驚かされた。2020/05/13
神太郎
32
シリーズ外より。イラスト付きの一風変わった作品。6人の視点からオムニバス形式というのも森さんの作品にしては珍しい。たった一言、たった一つの行動でその人の印象がガラリと変わる。そこを上手くついた作品ですね。最後の犯人含めてのカーテンコールはなかなかお遊びが効いていてこういうユーモアは森さん流石です。シリーズものは意外と王道が多いので、シリーズ外での変化球はファンとしては嬉しい所です。あっさりしすぎて内容があまり頭には残らないのですが。2016/02/13
Tadashi_N
29
読者にいかに間違えた先入観を持たせるかが、ミステリ作家のテクニック。2017/01/10
みなみ
26
大学の工学部を舞台とした連続殺人事件が登場人物6人の視点で描かれるミステリー。イラストがポップで文体も詩的で現実感が希薄なので、悲壮感もなくパズルのように感じつつ読了。「自分の人生、生と死、人類の未来、などなど、大切なことを真剣に考えていたら、何もできなくなってしまう。生活とは、すなわち逃避、仕事もまた当然だ。」という考えはいかにも森博嗣さんらしい。2023/07/06
coco夏ko10角
26
6人の視点でお話が進んでいく。ぽんぽんとした文章とコジマケンさんのキュートなイラストのおかげで読んでる最中はポップなミステリといった印象だったけれど。読み終えて物語を振り返ってみると…もし自分があの人物の立場だったら…と想像してゾクリ。2014/10/05