内容説明
グルジアで盗難に遭い、ロンドンでアパート不法占拠に参加し、サハラ砂漠で寿司ネタクイズに興じ、パゾリーニの墓を訪ねる。市場で迷い、絵葉書を送り、奇妙な料理を食べ、土産物屋でボラれる。…筋金入りの旅のアマチュアがつづる、哀しくもおかしい旅の記憶。
目次
災難とその対策
現地の言葉
はじめてのロンドン
貧乏旅行について
誰と旅をするか
外国で日本人を見かける
寝台車の愉しみ
船旅の懐かしさ
つい、お土産を買ってしまう
絵葉書を出す〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
15
1999年、刊行当時に入手して読んだ本。新型コロナを機に再読しました。四方田さんはとにかく文章が硬くてそれが難なのですが、執筆当時40代の半ば、豊富な旅行経験をもとに、次々と面白いテーマ(トラブル、外国語、外国で日本人と会う、お土産、絵はがき、道に迷う、見知らぬ食べ物、原住民、親切にされる、本物の旅等々)について批評家らしい考察を繰り広げ読ませます。彼の旅の幸福とは「いったいこんなところで自分は何をしているのだろうという、途方もない漠然とした気持ちに襲われる」こと。そんな幸福がはやく戻って来ますように!2020/07/09
ジュースの素
1
モロッコの本を以前読んで 次にこの本を。 旅の失敗も多いが さすがに慣れた人で 様々な国の事や旅の思いを書いている。 土産の項で、私の旅みやげの事情と似ているので嬉しくなった。2014/04/14
hiratax
0
四方田は100冊以上の著作を持つので読み逃していた。図書館のリサイクルコーナーで見つけて、大学院の勉強机の脇において少しずつ読んでいった。その速度は心地よかったように思う。2013/10/25
みつえもん
0
共感出来る部分が多くて、楽しめた2020/10/25
ニールキャサディ
0
10年以上振りに再読。これだけ頻繁に旅する大学人も珍しいと思うが、深い教養に裏付けられ単なる旅のエッセイとなっていないのはさすがである。数多くの文学者への言及があるが、特に吉田健一、ポールボールズ、ロランバルトに深い愛着を感じた。2019/04/27