内容説明
ときに愛らしく、ユーモラスで、恐ろしい、動物たちが躍動する日本の文学。『古事記』の白兎、『源氏物語』の猫、『平家物語』の馬、『南総里見八犬伝』の犬、和歌に詠まれた猪、説話の中の牛、動物に視点をおいた新しい日本文化論。獣が主役の日本文学史。
目次
鳥獣虫魚の文学史
『古事記』因幡の白兎
古代和歌における鹿―「妻問い」の歌をめぐって
『源氏物語』女三宮の飼猫
『枕草子』の翁丸―犬に託した「祈り」
説話文学における牛
『今昔物語集』の月の兎
歌語「臥猪の床」
歌題「けだもの」
『平家物語』「いけずき」と「するすみ」
『徒然草』奥山の猫又
能「江口」の象
鼠の恋―室町物語『鼠の草子』の世界
『国性爺合戦』和藤内の虎退治
俳諧の猿
『義経千本桜』河連法眼館・狐忠信
蕪村『新花摘』の狸と狐
『南総里見八犬伝』の犬と猫―『竹箆太郎』と口承伝承との関わり
『頼豪阿闍梨怪鼠伝』
歌川国芳の描いた猫
著者等紹介
鈴木健一[スズキケンイチ]
1960年生まれ。学習院大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしみず
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源氏の女三宮の飼猫を中心に他はつまみ読みした。柏木と光源氏が使う女三宮に対する形容詞の使い方の異なりが面白かった。古典ってどうしても物語として楽しむのに前知識が多いから大変だけど乗り越えれば楽しいな〜と思う。改めて。「らうたし」な女三宮の飼猫の鳴き声のねむねむ→「寝む寝む」はウワッ、、柏木ヤバ、、ってなった。2016/07/24
ケンチャン
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上代から近代までの文学作品の中で出てくる動物について、各研究者が考察した論文を収めたもの。日本人がどのようにその動物について考えて、接してきたかがわかる。2013/04/23