内容説明
第一編は、室町物語を前時代文学の享受という視点から論じたものである。それは、とりもなおさず、室町物語と古注釈の関係を概観することとなる。第二編は、第一編で概観した室町物語と古注釈の関係を、一つの室町物語や古注釈の作品にしぼって具体的に詳述した論を集めた。順番は前後が繋がるように、類似のテーマを並べてみた。第三編は、室町物語を中心とした一つ一つの作品論を集めた。基本的には、それぞれの題名でおわかりのように、室町物語やそれに類した作品の成立の問題を論じたものである。第四編は、第三編とは対照的に、古注釈の側の資料についての論や解題を中心に構成した。室町物語の研究も重要であるが、古注釈書自体の基礎的研究も必要である。
目次
第1編 室町物語における諸作品享受(室町物語における『伊勢物語』享受;室町物語における『古今和歌集』享受 ほか)
第2編 室町物語と古注釈各論(室町物語と幸若舞曲―『かわちかよひ』と『伏見常盤』;『小式部』の成立背景 ほか)
第3編 室町物語の諸相(『ふくろうのさうし』の成立;『犬鷹合戦物語』の構成 ほか)
第4編 古注釈書解題(『伊勢物語』注管見二種;宝徳元年本『僻案抄』解題 ほか)
著者等紹介
石川透[イシカワトオル]
1959年6月生れ。1988年3月慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、慶応義塾大学文学部助教授
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