内容説明
カメラマン・滝本淳助。彼は他に類を見ない特殊な価値観を持ち、その行動や言動は、たくさんの人々を魅了し続けるのであった。便利棒と名付けられた、ただの棒。シュールな夢日記…いまや伝説と化した世紀の雑談集、約20年の時を経て、奇跡の復刊!ボーナストラックとして、滝本淳助と末井昭の対談も収録。
目次
最後の風景
ペパロニライスの丁度よさ
小さなうなぎと頼もしい男
三浦逮捕と便利棒
ライオンと阪神
夜と災害
オシャレとゲリラ
ひと言とかっこいい犯人
整理と政変
静かな生活とイメルダの便所〔ほか〕
著者等紹介
久住昌之[クスミマサユキ]
1958年東京都生まれ。大学時代に美学校と出会い、赤瀬川原平に師事。1981年、美学校の同期生だった泉晴紀とコンビを組み、「泉昌之」として漫画界にデビューする。装丁家、エッセイストとして活躍するほか、漫画原作者としても活躍中
滝本淳助[タキモトジュンスケ]
1954年東京都生まれ。独学で写真を学び、カメラマンの道へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アズル
24
どうしよう、私と似てる!! もちろん、うなぎが「入った」とは思ってないけど(笑)。親や友達から「どうでもいいことを真剣に考えてる」と呆れ顔で言われます。2015/03/13
gtn
23
復刊されていることに気付き、約30年ぶりに手に取る。滝本氏にとって、豊田商事の永野会長刺殺も、喫茶店に出てくるおしぼりのビニールカバーの処理も同列の事件である。そんな「タキモト」という原石を掘り出し、研磨した久住氏の視点は今もぶれず、現在の「孤独のグルメ」に至っている。なお、滝本氏はビニールがテーブル上でフワフワするのが気持ち悪いので、おしぼりに挟み込むという。2020/07/05
幹事検定1級
21
孤独のグルメで有名な久住さんがバブル期前に友人?のタキモトさんの世界を描いたエッセイ。時代を感じます。そんな事件もあったなあと感じたり、昭和の匂いもしました。そしてマニアックな世界を綴った本でした。(図書館本)2016/12/24
紅独歩
9
三次元からちょっとズレた、3.14次元くらいに存在する「タキモトの世界」。確かにそれは面白いのだけれども、実はそれを面白がってる「クスミの世界」があってこそ成立しているものなのだ。女性が理想とする男性のタイプ、「少年の心をもったままオトナになったヒト」がここに実在する。実在するんだけども、うーん、どうでしょう。その無邪気過ぎる視点は、けっこう残酷だと思いませんか?2015/04/09
べんてん。
6
タキモトの世界を堪能!独特というか、ある意味すごく真っ当な気もする滝本氏。話を聞き出す久住さんがまたいいのである。懐かしいあの頃の空気を思い出しながら、浸れるのでありました。当時、こんな本が出版されていたとは知りませんでした。復刊してくれて良かったなあ。2014/09/11