内容説明
珠玉の幻想作品集。7つの中・短編による傑作ファンタジー。
著者等紹介
天沢退二郎[アマザワタイジロウ]
1936年、東京で生まれた。東京大学フランス文学科卒業。詩人、フランス文学者。明治学院大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シガー&シュガー
10
オレンジ党をはじめとする「不安の中にいる子供」を描く短編以外にも宮沢賢治を思わせるタッチの短編を収録。お目当てはもちろん子供たちのお話。今までの天沢短編では納得というものに期待が持てなかったため覚悟を決めて読んでいましたが、「グーンの黒い地図」は思ったよりもまとまっていて私の中では満足度高し。不気味さもオレンジ党本編よりもむしろ強く感じてゾクゾクしたし、終わりなき不安と戦いを暗示するような終わり方もオレンジ党よりは分かりやすくてよかった気がします。もっと読みたいなあ。未発表原稿とか眠ってませんかネ?2017/07/19
inugamix
0
[購入本] 宮澤賢治オマージュなのかな。
えんぴつ
0
オレンジ党シリーズの謎を解きたかったので再読。図書館本。短編集「夜の道」に田久保京志が登場。ヒヨドリとカケスがすでに登場。沼、汽車などオレンジ党につながるモチーフがあって納得。土神の夢、人形川、グーンの黒い地図などオレンジ党の物語と同じ登場人物が出てきてオレンジ党シリーズの好きな方は理解が深まり楽しめる。美しいが不気味で容赦ない天沢調はNHKの少年ドラマシリーズを彷彿とさせる。2023/07/13
detoo
0
ストーリーは想像力がついていかないイメージがあり、相変わらず難解…。子供の頃に感じた不安な不思議な独特の雰囲気をこの本でも感じられて良かった。オレンジ党の話はこの人の中でずっと繋がっていて、その中の断片を見せられてる、と思うと、ほんとこの人すげぇなぁと思う。2018/08/06