内容説明
1980年のある日、ほんのひと握りの医師たちが、オリフォルニアの片田舎に集まった。彼らは自らを「胎児医療切込み隊」と称し、まだ母親の胎内にいる赤ん坊を治療しようと、まったく新しい医療分野へ、文字通り切込んでいった。この本は、彼らの辿った険しい道のりを、ニューヨークタイムズの女性記者が克明に追跡した記録である。研究室へ、手術室へ、そして奇跡のような成果に酔いながらも身を引き裂かれるような葛藤に苦しむ医師と親たちの心の中へと、記者の目は怯むことなく突き進む。
目次
第1章 きわめて深刻な問題
第2章 胎児医療切り込み隊
第3章 秘密の会合
第4章 前人未踏の偉大な業績
第5章 隠れた死亡率
第6章 切迫した状況
第7章 かなわぬ夢
第8章 道徳的、倫理的、宗教的ジレンマ
第9章 決めるのはだれか?
第10章 孤独な決定・苦渋に満ちた選択
第11章 将来へつなぐもの