内容説明
弟が亡くなった病院をあとにして、タイスンはつかのま目を閉じた。エリン―。弟のブルースが、知りあったモデルの彼女を屋敷に連れてきたのが、最初の出会いだった。ある夜、ブルースの留守中に、自分からキスをした彼は、彼女の魅力に負けて、ベッドをともにしてしまった。しかし、彼は、弟というものがありながら簡単に自分に身をまかせたエリンを許せず、すぐに、彼女を牧場から追いだしてしまった。今となって、タイスンは後悔するばかりだ。タイスンは、ぼんやり雨を見つめながらタバコをくゆらせた。“エリンは今ごろどうしているのだろう”。