内容説明
ジュリアナは古城のなかにある森をひとり散歩していた。フランス駐在アメリカ大使の娘である彼女は、両親の結婚記念日を祝うために、はるばるパリまでやってきたのだ。そして結婚記念パーティーの会場となったのが、父の友人である公爵アランの古城だった。夕闇のなか、森のなかへわけいっていくジュリアナ。そのとき、ふと人の気配がして、彼女はうしろをふりかえった。馬にまたがった男性がこちらを見つめている。目と目が合った瞬間、ジュリアナは恋におちていた。心臓は激しく鼓動し、催眠術にでもかけられたように身動きできない。じきに男はその場を去っていったが、彼女の心はまだ揺れていた。あなたは誰なの?もう一度会えるかしら。